Slack Technologiesの調査によると、デスクワーカーの約半数がAI活用を上司に打ち明けることに罪悪感を抱いている。AIの使用を禁止されていなくても、気まずいと感じる理由は何か。
職場でAI(人工知能)を活用していることを上司に打ち明けるのは気まずい──。デスクワーカーの約半数がそんな悩みを抱えていることが、ビジネスチャットツール「Slack」を運営するSlack Technologiesの調査で浮き彫りになった。調査によると「会社の方針でAIの使用が推奨されていない」というデスクワーカーは少数派という。それにもかかわらず、AIの使用に罪悪感を抱くのはなぜか。
「彼らは仕事で手を抜いていると思われたくない」。 Slack Technologiesのクリスティーナ・ジャンザー氏(リサーチおよびアナリティクス担当シニアバイスプレジデント)は、このように指摘する。一部のデスクワーカーはAIに頼って仕事をすることで、上司や同僚から手抜きをしていると見なされたり、仕事ができない人物だと評価されたりするのを恐れている。
こうした実態は、Slack TechnologiesとSAP傘下のオンライン調査ソフトウェア企業Qualtricsが1万7000人以上のデスクワーカーを対象に実施したグローバル調査で明らかになった。この調査結果は、AIが労働力に特異な影響を与えたことを示している。AIが懸念を引き起こしたり、従業員同士のコミュニケーションに変化をもたらしたりする。
調査会社Gartnerのヘレン・ポワトビン氏(ディスティングイッシュトバイスプレジデントアナリスト)は「われわれは、人よりも機械を信頼する傾向がある」と指摘する。
ポワトビン氏はAIを従業員の支援者と位置づけ、従業員がAIを相手に対話したり、デリケートな議論に備えたり、コミュニケーションスキルを向上させたり、といった活用ができると考えている。一方同氏は、AIに依存し過ぎると、従業員同士のつながりが損なわれる可能性があると警告した。
Slack Technologiesの調査によると、職場でのAI導入は停滞傾向にある。前述したデスクワーカーのためらいや不快感に加え、管理職がAIの使用に関するガイドラインを示していないことも要因として挙げられる。
「従業員がAIを不安なく使えるようにするためには、管理職がAIの活用を奨励したり支援したりすることが必要だ」。ジャンザー氏はこう主張する。「AIを業務に活用していることを管理職が信頼して見守っていることが分かれば、AIの使用が広がる可能性がある」(同氏)
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