二重通信コンフリクトの原因特定作業を経験したことがないなどというネットワーク管理者はほとんどいないだろう。この問題は、対処するのは難しくないが、問題そのものを特定し、局所化するのは途方もなく難しい。
二重通信のコンフリクトというのは、なかなか厄介な問題だ。この10年間にわたってIPネットワークをさいなんできた二重通信コンフリクトは依然として、パフォーマンス低下の最大の元凶であるようだ。10Mbpsイーサネット時代から引きずっているこの問題は、対処するのは難しくないが、問題そのものを特定し、局所化するのは途方もなく難しい。そして、インタフェースの状態(動作/停止)が時間的に変化し、またネットワークホストがアップデートされたり変更されたりするのに伴って問題が再発する。
二重通信コンフリクト(「二重通信ミスマッチ」ともいう)の原因特定作業を経験したことがないなどというネットワーク管理者はほとんどいないだろう(あるいはイーサネット技術に詳しくない管理者かもしれない)。この問題は、ありとあらゆるアプリケーションに甚大な悪影響をもたらす可能性がある。その症状は非常に一過性のものであり、pingを使っても損失が示されないこともあれば(「ネットワークは「盲人と象」のようなもの」参照)、100Mbpsのネットワークパスで60%以上の損失が発生することもある。一般的には、大量のデータ転送が引き金になることが多く、VLANやQoSを採用していてもVoIPに影響を与える可能性もある。
パフォーマンス低下の最も一般的な原因は、ダウンレベルのNICドライバの使用だが、二重通信問題もこれと同じくらい一般的であり、エンドユーザーエクスペリエンスにはるかに激しい影響を及ぼすケースが多い。NASA(米航空宇宙局)が実施した調査では、障害通知の50%以上が二重通信コンフリクトによるものであることが判明した。Internet2では、二重通信問題を最も一般的な3つの問題の1つに挙げている(残りの2つはTCPバッファの設定ミスとNICドライバの問題)。ベリタス(現シマンテック)のサポート部門が受けたネットワーク依存型製品(NetBackupなど)に関する問い合わせ電話2万件に基づいて行われた2005年の調査では、38%近くがネットワーク問題に起因するトラブルに関するものだった。ネットワークに関連した問い合わせのうち20%がNICドライバの性能不足に起因するものであり、6%近くが二重通信コンフリクトが原因であることが判明した。
オートネゴシエーション機能を使えば解決できそうなものなのに、なぜ、それほど問題になるのだろうか。
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