2006年09月20日 13時27分 公開
特集/連載

ブランディング戦略における武器としてのブロードバンドColumn

現在、中堅企業の間では、意外な武器を駆使してブランディングとその実践を進める動きが広がっている。その武器とは、先進的な通信技術だ。

[Cathy Hotka,TechTarget]

 成長中の企業は皆、強力なブランドアイデンティティを懸命に模索している。企業のアイデンティティは企業文化に浸透させる必要があり、競合他社に対する差別化を可能にするものでなければならない。また、遠い国や地域での拠点を通じてブランドを展開する場合でも、通用するものでなければならない。

 今日の激しい競争環境では、一貫したブランド体験の提供を実践することが肝要だ。ティーン向けのファッションストアは、どの店舗でも統一された最新トレンドを提供しようとする。また、そうした実践により、マクドナルドのビッグマックは全米50州どこでも同じ味が保たれている。

 現在、中堅企業の間では、意外な武器を駆使してブランディングとその実践を進める動きが広がっている。その武器とは、先進的な通信技術だ。そうした企業はMPLS(Multiprotocol Label Switching)ネットワークを導入し、世界中に分散した拠点を結んでいる。ヴァージンエンターテインメントではMPLSネットワークにより、ネットワーク負荷にかかわらず、顧客が曲を聴いたり、スタッフが社内ネットワーク経由で途切れなく通話したりできるようにしている。

 以前はダイヤルアップサービスに頼っていた、財布のひもが固い小売業者も、ブロードバンドやMPLSを採用するようになってきている。ある小売業者は、店舗の棚札をすべて電子的なものに置き換えることを計画しており、無線通信や音楽、音声通信、リアルタイム在庫管理などの用途も含めたネットワーク負荷の大きさから、MPLSが必要になる見込みだ。MPLSネットワークは、初期コストを正当化することが導入のハードルとなるが、ブランドの完全性を向上させる幾つかのメリットを提供する。例えば、音声通話コストの削減、マルチメディア機能(Webへの接続に利用できるキオスク)や、営業担当者が顧客情報に自在にアクセスして業務に役立てられることなどだ。

 MPLSによって得られるこうしたメリットを具体的に見ていこう。

音声認識を使ったきめ細かな対応

 米国のように複数の言語が使われる国では、音声認識は有用だ。企業は顧客からの電話を適切な部署につないで対応するために音声認識を導入している。例えば、自動車部品販売業者のオートゾーンは、ストアサービスセンターをメキシコに置いている。同社のストアマネジャーはスペイン語を話す人が多く、彼らにとっては技術的な質問の答えをスペイン言語で聞けるのは便利だ。

ブロードバンドサービスの拡充

 小売業のような伝統的な業界で、店舗にブロードバンドを導入すると、どんな効果があるのだろう。例えば、無線携帯キオスク端末は、急いで買い物をしている顧客が品物を探す助けになる。また、次世代型キオスクでは、店で自分に合ったサイズの商品が見つからなかった顧客がWebにアクセスし、在庫を調べたり注文したりできる。電子棚札は、最新の状況に応じた価格表示や、日常業務の省力化に役立つ。独自に選曲した音楽をネットワークで店内で流すことは、余計なCMが頻繁に入るラジオ放送よりも、自社のブランドイメージをより的確に伝えることにつながる。一方、本社では、売れ筋商品と死に筋商品の情報をより迅速に入手できる。

モバイルワークの支援

 優秀なスタッフがオフィスではなくスターバックスでミーティングをしなければならない場合があるかもしれない。彼らが電子メールを「聞いたり」、ボイスメールを「見たり」できるようにすることで、彼らの求める柔軟な業務環境を提供できる。

従業員研修とブランド強化

 一部の小売業者はMPLSを活用して、販売員研修のような通信量が多い店舗向けアプリケーションを管理している。創業120年の食品雑貨チェーン、ハナフォードブラザーズはMPLSを導入し、販売員研修に伴うネットワークトラフィックの管理やコストの抑制に利用している。

 MPLSを導入する場合、IPアドレッシングやサービス品質の問題に取り組むためにコンサルタントを雇う必要があるかもしない。だが、一貫した顧客体験を実現する必要がある成長中の企業は、先進的な通信機能の活用に高いプライオリティーを置くべきだ。こうした機能を活用することは、事業地域を拡大しながらブランドを強力に展開する上で不可欠だろう。

本稿筆者のキャシー・ホトカ氏は、ワシントンDCに本拠を置くキャシー・ホトカ&アソシエイツの代表を務めている。

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