システム設計において例外は例外として処理すべきであり、標準的なプロセスとすべきではない。
週に1度の現状報告会議の後、ダイアンが困った顔でわたしのところにやって来て、声を落として言った。
「二ール、支払い分割のことを忘れてた」
わたしには意味が分からなかった。「支払い分割? 何のこと?」
ダイアンの説明によると、わが社ではコールセンターを通じて注文を受ける時、顧客が複数のクレジットカードで買い物をすることを認めている。例えば50ドルの注文のうち30ドルをVISAカードで、20ドルをMasterCardで払うことが可能だ。
「なぜそんなことを?」とわたし。
「顧客サービスのためでしょう。今までずっと、新システムの必要条件に入れるのを忘れていた」
導入から25年たった旧式システムを新しいERPに入れ替えるプロジェクトで、ダイアンは販売注文処理のリード役だった。わたしたちは、目的別に割り振るモデルを用いて会社の「差別化」につながっている活動を3つ挙げていたが、その1つが素晴らしい顧客サービスだった。さらに、差別化にはならないが会社の競争力維持を支えている活動(パリティプロセスと呼ばれる)も挙げていた。これらシステムプロセスの設定において、わたしたちはありふれたアプローチを採っていた。
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