Ask The Expert
【Q&A】Webアプリのバッファオーバーフローとメモリリークの原因は?
質問:Webアプリケーションのメモリリークとバッファオーバーフローについて説明してください。また、具体的な例でこれらのテスト方法を教えてください。
これらはWebアプリケーションにとって厄介な問題だ。「Code Red」ワームのようなバッファオーバーフロー攻撃は、重大なデータセキュリティ問題やシステム侵入を引き起こした。
メモリリーク
まず、メモリリークから見ていくことにしよう。というのも、これはバッファオーバーフローの理解の一助になるからだ。メモリリークは、プログラマーがある種の変数にメモリ領域を動的に割り当て、プログラムの終了後にその領域を解放しない場合に起きる。その結果、システムが使用できる空きメモリが少なくなる。こういったメモリ損失を引き起こすプログラムや関数を繰り返し実行すると、最終的にシステムがクラッシュしたり、サービス不能になったりする。メモリ損失を引き起こす単純なコードの例を以下に示す。
int main(int argc, char **argv)
{
char * memoryA = new char[10];
memoryA [0] = 'A';
printf("%cn", memoryA [0]);
}
このプログラムは、10文字の配列を格納するためにmemoryAという変数にメモリを割り当てているが、メモリを明示的に解放していない。
メモリリークを防止するには、プログラマーは動的に割り当てられたメモリ領域が不要になった時点で、必ずその領域を解放しなければならない。単純なアプリケーションであれば、コードを1つずつ調べ、新規の演算子すべてについて対応する削除演算子(あるいはその言語固有の同等機能)が存在するかどうかを確認できる。複雑なプロジェクトであれば、メモリエラーを検出する「Purify」や「LeakTrace」などのアプリケーション診断ツールが必要になるだろう。また、アプリケーションのストレステストを実施し、メモリ消費をチェックすることも重要だ。
バッファオーバーフロー
バッファオーバーフローは、アプリケーションやシステムのクラッシュを引き起こすこともある。また、攻撃者がシステムに侵入して不正なプロセスを実行することを可能にする恐れもある。バッファオーバーフローは、プログラムまたはプロセスが、メモリバッファに設定された容量よりも多くのデータをバッファに格納しようとしたときに発生する。例えば、入力フォームからデータを送信できるWebアプリケーションの場合、ハッカーは、メモリバッファの容量よりも大きなデータを意図的に送信するのだ。バッファに入りきらないデータは隣接するメモリにあふれ出し、そこに格納された有効なデータを上書きする可能性がある。この場合、関数が終了したときに使用される戻りアドレスが上書きされることが多い。ハッカーは新しい戻りアドレスを書き込むことにより、システムをだまして自分のコードを実行させることができるのだ。
また、バッファオーバーフローエラーとメモリリークが比較的起きやすい言語とそうでない言語があることも知っておかねばならない。C/C++言語は、バッファに書き込まれたデータがそのバッファの境界内に収まっているかどうかチェックする仕組みを備えていない。このため、Windowsプログラマーはマイクロソフトの「strsafe.lib」と「strsafe.h」(Visual C++ .NET 2003に含まれている)を利用すべきである。strsafe.lib/strsafe.hは、安全な文字列操作関数のライブラリを使用する。一方、Javaで書かれたアプリケーションは、バッファオーバーフローとメモリリークの問題が起きにくい。Javaは強い型付け言語だからだ。しかし、Javaなどの「安全な」言語で書かれたアプリケーションでも、ほかの言語で書かれたサービスやライブラリとインタラクトしたときにバッファオーバーが起きる可能性がある。
バッファオーバーフロー問題を防ぐ最善の方法は、アプリケーションが受け取るすべての入力データの妥当性をチェックすることである。さらに、追加的なデータフィルタリングチェックも同時に行う独自の文字列コピー関数を記述しておくのも効果的だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] 複雑化しがちな「SASE運用」 IT・医療・金融などの事例に見る導入成功の秘訣 -
製品資料
[フォーティネットジャパン合同会社] 「SD-WAN」導入で失敗しないための5つの重要事項 -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] VPNの代替候補「ZTNA」を理解できるようになる“3大要素”とは? -
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] すぐ分かる「SD-WAN」選定のポイント 成功企業はどんな成果を出した? -
製品資料
[SCSK株式会社] 「Dropbox」管理・運用の困りごと解決ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
5
IT製品の導入に関するアンケート「セキュリティ」編
-
6
みずほ証券が「液冷サーバ」を採用 1日3.6億件の計算を支えるための要件
-
7
SAP導入後も残る“Excel依存” 京急電鉄は「kintone」でどう解消した?
-
8
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
9
「有線LAN環境」に関するアンケート
-
10
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー