ジュニパーネットワークスは、同社製品としては初の企業向けLANスイッチを発表。仮想化による冗長システムや省電力を実現した。
キャリア向けハイエンドルータなどを販売するジュニパーネットワークスは2月14日、レイヤ3イーサネットスイッチ製品「EXシリーズ」を国内に投入することを明らかにした。同社初の企業向けLANスイッチとして、大容量化や信頼性の向上を図っているのが特徴。
EXシリーズには、ボックス型の「EX 3200」「EX 4200」、およびシャーシ型の「EX 8200」の3シリーズがある。企業での導入を前提に「障害による損失、システムの電力消費量の急増といった、企業ネットワークにおけるトラフィックの伸びを背景とした課題解決のため、信頼性とエコを重視した」(代表取締役 大須賀雅憲氏)設計になっている。
ジュニパーのハイエンドルータと共通のOSを採用したEX 4200(写真左)とEX 3200。EX 4200は光ファイバーインタフェース用のモデルが用意され、二重化電源や交換可能なファンモジュールを装備するEX 3200/4200は、ブランチオフィスなどエッジ側の端末を収容する1RUサイズのイーサネットスイッチ。ベーシックモデルのEX 3200は、24または48ポートのギガビットイーサネット(GbE)ポートを装備する。また、10GbE×2/GbE×4のアップリンクポートも備え、15.4ワットの給電が可能なPoE(Power over Ethernet)を全ポート対応にするか8ポート対応にするかをオプションで選択できる。セキュリティ機能ではIEEE 802.1X認証をサポートするのに加え、1ポートで複数のクライアント端末にVLANを割り当てる動的VLAN認証が可能。
EX 4200はEX 3200と同等の仕様に拡張性を加えたモデル。複数台のEX 4200をスタックして1台の論理スイッチとして稼働させ、ポート密度を高める一種の仮想化機構(バーチャルシャーシ)を持つ。競合製品にも同様の機構をサポートするスイッチはあるが、同社によると専用ポートを使ったスタッキングで128Gbpsの高スループットを実現することが差別化のポイントだとしている。
この仮想化機構では、最大10台を接続した場合、GbEインタフェースを480ポート装備したミッドレンジスイッチとして運用できる。さらに障害が発生した場合、システム再起動時にパケットロスを抑えるGraceful Restart機能や、システム更新時にパケット転送処理をスイッチ間で引き継ぐルーティングのリダンダント機能(対応予定)など、ネットワークを止めないための技術を盛り込んだ。仮想化機構を利用すると、GbE×96ポート搭載した場合での全体の電力消費量を、シャーシ型スイッチの1400ワットに対し、640ワットと半分以下に抑えられるという。
価格は、GbE×24ポート(うちPoE×8ポート)構成の場合、EX 3200が72万円から、EX 4200が114万円から。3月中旬より各販売代理店より出荷が開始される。
EX 8200は8または16スロットを持つデータセンター向けのシャーシ型アグリゲーションスイッチ。10GbEインタフェースを8スロットモデルは最大64ポート、16スロットモデルは最大128ポートまで収容する。同社のキャリア向けルータ「MX」シリーズと同じスイッチファブリックやQoS(Quality of Service)制御専用ASICを搭載し、性能、管理性を高めた。2008年第4四半期のリリース予定で、価格は未定。
大須賀氏はLANスイッチ製品を開発した理由を、「われわれの製品のラインアップに唯一スイッチだけがなかった。ジュニパーはなぜスイッチを出さないのかというユーザーの声に応えた」と話す。今後は市場の動きを見ながら100GbEへの対応や機能拡張を進めていくという。
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