2月に統合を完了したサンとMySQLが、日本における今後の展開やMySQLの日本語環境の強化を発表した。
「MySQLとの統合にとても興奮している」。米Sun Microsystems ダイレクター ラリー・ステフォニック氏は4月9日に開かれた記者会見にて、MySQLの買収(2008年1月16日発表)をこのように表現した。
同氏は、MySQLとの統合により、サンが150億ドルのデータベース市場に参入できること、MySQLが強みを持つWeb業界で優位に立てること、顧客により多くの選択肢を提供できると語った。一方、MySQLはサンの一部となることで、より多くの収益機会を生み、企業へのアピール力が向上するなど、この買収が両社にとってメリットのあるものであることを強調した。
サン・マイクロシステムズ 代表取締役社長の末次朝彦氏は、サンとMySQLの日本法人はまだ統合されていない(本社は2008年2月6日に統合完了)が、活動は既に一体化していること、そして夏ごろには日本法人も統合を行う予定であると語った。両社はMySQLの日本語環境強化の一環として、同日より日本語による製品サポート(月〜金 9〜17時の時間帯のみ)とナレッジベース、および「MySQL Enterprise Monitor」日本語版(MySQL Enterpriseのサーバ監視ツール)の提供を開始。また2008年5月上旬からサンの販売パートナーもMySQLの販売を開始すると発表した。
今回の統合によってサンはデータベースを手に入れたことになるが、「サンはMySQLと同じく、これからもOracleやSybase、PostgreSQLなどのデータベースにSolarisを最適化していく」(末次氏)とし、MySQLは顧客に提供する選択肢の1つであるとの考えを示した。
ちなみに、米国本社によるMySQL買収発表の前日、末次氏は米国で同社社長兼CEOのジョナサン・シュワルツ氏と会っており、その際に(買収には一言も触れず)「MySQLをどう思う?」と問われ、翌日の発表でその質問の意味が分かったという裏話を明かした。
なお、今回発表された日本語による製品サポートおよび日本語ナレッジベース(約1000件の技術記事)提供の対象者は、MySQL Enterpriseのサポート契約者、MySQL ClusterおよびMySQL OEMのサポート契約者であり、MySQL Enterprise Monitorの日本語版はMySQL Enterpriseに含まれる。MySQL Enterpriseの価格は、年間サブスクリプション(1サーバ当たり)で599ドルからとなっている。
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