SaaS競争をオンプレミスに持ち込むGoogleのアプライアンスオンデマンドからオンプレミスへ?

Googleのエンタープライズアプライアンスは、Microsoft対Googleの戦いをMicrosoftの縄張りであるオンプレミスに持ち込むことになりそうだ。

2008年07月09日 08時00分 公開
[Colin Steele,TechTarget]

 「Microsoft Exchange Server」およびIBMの「Lotus Domino」と競合する可能性があるGoogleのエンタープライズアプライアンスが開発中のようだ。

 これまでMicrosoft対Googleの戦いの焦点は、SaaS(Software as a Service)とWebベースのアプリケーションへのシフトだった。しかしGoogleのエンタープライズアプライアンスは、この戦いをオンプレミス(自社運用型)に持ち込むことになりそうだ。そこはMicrosoftとIBMの縄張りであり、VAR(付加価値リセラー)とSI(システムインテグレーター)にとってはサービスを提供するチャンスが最も大きい分野でもある。

 Forrester Researchの主席アナリスト、ロブ・コプロウィッツ氏によると、Googleのエンタープライズアプライアンスの狙いは理にかなっているという。大企業や大規模組織が一夜にして、オンプレミス型ソフトウェアからSaaSに移行することはあり得ないからだ。

 「変化はゆっくりと訪れる」とコプロウィッツ氏は話す。「相手は大規模でミッションクリティカルなシステムなのだ。たとえ機が熟しているとしても──実際にはそうではないが──そして企業側の準備が既に整っているとしても、移行には時間がかかるだろう。このため、短期的にも長期的にもGoogleには企業に対して影響力を拡大するチャンスがある」

 IBM Lotus部門のパートナー、PSC GroupでLotusソリューションを担当するアレクサンドル・カサボフ副社長によると、Googleのエンタープライズアプライアンスの成否は、その機能に掛かっているという。「Google Sitesのようなコラボレーションソフトウェアを提供するアプライアンスは、単なるメールサーバよりも顧客に訴求するだろう」と同氏は語る。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...