SaaS導入の注意点は企業戦略としての要件を見極めること企業コンピューティングに着実に普及するSaaS

企業における新規アプリケーション展開の選択肢の1つとしてSaaSの重要性が増している。競争優位に必要な俊敏性を獲得するために、企業はSaaSを適材適所で活用していくべきだ。

2008年07月15日 00時00分 公開
[栗原 潔,テックバイザージェイピー]

そもそもSaaSとは何か?

 SaaS(Software as a Service)とは、社外の事業者(プロバイダー)が稼働するアプリケーションプログラムの機能(サービス)をネットワーク経由で(通常は従量制料金により)利用するコンピューティング形態のことだ。企業が購買したソフトウェアを自社所有のハードウェアにインストールして使用するという形態(オンプレミス型と呼ばれることがある)とは、対照的なモデルといえる。

 図1に示すように、SaaSをさまざまなアウトソーシングモデルの一形態と考えると分かりやすいだろう。過去においては、SaaSと同様のモデルをASP(Application Service Provider)と呼んでいた。SaaSとASPの相違点についてはさまざまな意見があるが、基本的なモデルとしては同じと考えてよいだろう。これ以外にも「ソフトウェアオンデマンド」なども同様の概念を表す言葉だ。

画像 図1●SaaSの位置付け(出典:テックバイザージェイピー)

 JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)が行った国内企業のテクノロジー/ITサービスへの関心・導入状況の調査結果によれば、SaaSを既に導入済みあるいは導入検討中の企業は全体の4分の1を占める(図2参照)。日本国内企業においても、SaaSが特殊な考え方ではなく、当たり前の選択肢の1つになっていることが分かる。

画像 図2●(※)日本企業におけるSaaSへの関心度(出典:「企業IT動向調査2008」日本情報システム・ユーザー協会 2008年4月14日)

(※)小数点第一位で四捨五入して表示しているため、比率の合計が100%にならない場合があります。

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