企業における新規アプリケーション展開の選択肢の1つとしてSaaSの重要性が増している。競争優位に必要な俊敏性を獲得するために、企業はSaaSを適材適所で活用していくべきだ。
SaaS(Software as a Service)とは、社外の事業者(プロバイダー)が稼働するアプリケーションプログラムの機能(サービス)をネットワーク経由で(通常は従量制料金により)利用するコンピューティング形態のことだ。企業が購買したソフトウェアを自社所有のハードウェアにインストールして使用するという形態(オンプレミス型と呼ばれることがある)とは、対照的なモデルといえる。
図1に示すように、SaaSをさまざまなアウトソーシングモデルの一形態と考えると分かりやすいだろう。過去においては、SaaSと同様のモデルをASP(Application Service Provider)と呼んでいた。SaaSとASPの相違点についてはさまざまな意見があるが、基本的なモデルとしては同じと考えてよいだろう。これ以外にも「ソフトウェアオンデマンド」なども同様の概念を表す言葉だ。
JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)が行った国内企業のテクノロジー/ITサービスへの関心・導入状況の調査結果によれば、SaaSを既に導入済みあるいは導入検討中の企業は全体の4分の1を占める(図2参照)。日本国内企業においても、SaaSが特殊な考え方ではなく、当たり前の選択肢の1つになっていることが分かる。
(※)小数点第一位で四捨五入して表示しているため、比率の合計が100%にならない場合があります。
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