「リテールテックJAPAN 2010」イベントリポート
セルフレジ、デジタルサイネージが注目を集める「リテールテックJAPAN 2010」
年に一度の流通業向けIT製品展示会「リテールテックJAPAN 2010」が開催中だ。初日は「曇りのち雨」というあいにくの天候にもかかわらず、多くの来場者が訪れていた印象だ。
3月9日から東京ビッグサイトで開催されている流通情報システムの総合展「リテールテックJAPAN 2010」。各種POSシステムや流通BMS対応のEDIなど、流通業向けIT製品が展示されている。初日の来場者数は4万6071人と、2009年の初日の来場者数(4万542人)を大幅に上回った。
コンパクト化が進んだセルフレジ
同イベントの毎年の目玉といえば、やはり東芝テックブースだろう。同社ブースでひときわ目を引いたのが、セルフレジ「WILLPOS-Self(ウィルポス・セルフ) SS-800」だ。ブースには現金専用型の「Gタイプ」とキャッシュレス専用型の「Cタイプ」を展示。Cタイプは幅76センチというコンパクトな筐体を実現しており、スペースに余裕のない店舗でも設置できるよう考慮されている。
セルフレジを使用するのが初めてのユーザーでも直感的に操作できるよう、操作手順や支払い方法の選択はイラストでアナウンスされる。実際使用してみたが、バーコードの読み取りや画面操作は非常に簡単で、レシートや釣り銭の受け取りも待たされることはなかった。また、バーコードを読ませずにレジ袋に商品を入れるという「万引き行為」を試してみると、きっちり不正を知らせてくれた。
なお、SS-800はドラッグストアやコンビニなど対面形式の店舗でも導入できるよう、カウンタ設置型(Uタイプ)もラインアップしている。
キーボードレスの専門店向けPOSターミナル
また、同社ブースでは専門店向けのPOSターミナル「WILLPOS Touch QT-10」も注目を集めていた。WILLPOS Touchはこれまで12.1型カラーTFTのタッチパネルを装備していたが、2010年1月に15型の大型タッチパネルを装備したQT-10を販売開始。別途専用アプリケーション(2010年4月発売予定)を導入すれば、本部からの指示を画面に表示させるといった使い方が可能だ。売上状況はリアルタイムで本部に伝えられるため、的確な指示を店舗に伝えることができる。
小売業でも需要予測ツールの導入が必要?
日立グループのブースでは「ForecastPRO」をはじめとする、SCM(Supply Chain Management)製品に人が集まっていた。
ForecastPROは、指数平滑法、ボックス・ジェンキンス法など、7つの統計予測手法があらかじめ組み込まれた需要予測支援ツールだ。Microsoft Office ExcelやMicrosoft Office Access、テキストファイルなどで作成した実績データを読み込み、分析に関する知識に長けていないユーザーでも需要予測を実行できる。需要に影響を与えるプロモーションや特別な休日などをイベントとして扱うことができ、イベントの効果とトレンド・季節変動を分離して分析することも可能だ。現状、需要予測ツールは製造業での導入が多いが、SPA(Specialty store retailer of Private label Apparel:製造小売業)はもちろん、商品の入れ替えや改廃が激しい小売業でも、今後さらに導入の必要性が高まることだろう。
RFIDや認証基盤との連携で広告効果を高めるデジタルサイネージ
今回、非常に印象深かったのが、デジタルサイネージの展示が多かったことだ。NECブースでは、RFID(ICタグ)と連携したデジタルサイネージソリューションを展示。RFID読み取りアンテナを内蔵したディスプレー上に並べられた携帯電話1つひとつにRFIDを付与し、それを持ち上げるとデジタルサイネージに個別の広告や商品説明を映すことができる。また、ディスプレーに取り付けられたカメラで商品を手に取った消費者を撮影、瞬時に年齢・性別を自動認識できるため(デジタルサイネージ配信基盤「PanelDirector」を活用)、よりターゲティングした広告を配信できるだけでなく、購買情報と組み合わせることでマーケティングに活用できる。
また、1つ変り種として、日立ブースに展示されていた「デジタルサイネージ自動販売機」を紹介しよう。こちらは指静脈認証との連動により、本人認証およびキャッシュレス購入を実現した自動販売機だ。グループウェアや社内ポータルとの連携により、購入者に合った情報を表示するといったオフィスでの活用が可能だ。同社によると、主にオフィス導入、またマンションなどへの導入も視野に入れているという。
2009年11月に同社の指静脈認証と連携するPOSシステムの導入事例が発表されたが(関連記事:「大庄が指静脈認証連携POSシステムを導入、セキュリティ向上と勤怠管理効率化狙う」)、本人認証の需要は高まりを見せている。今後は飲食業界のみならず、流通業界でも導入が加速するかもしれない。なお、そのほかデジタルサイネージ関連製品は、同時開催中の特別企画展「リテール・デジタルサイネージ 2010」で集中展示されている。
以上、駆け足だがリテールテックJAPAN 2010での注目展示を紹介してきた。リテールテックJAPAN 2010は3月12日まで開催している。
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