現場の業務改善において、重要な情報源となる日々の工数実績。しかし、現場のメンバーに毎日正確に入力させるのは難しいことでもある。今回は、実績入力の負荷を軽減する機能を追求したツールを紹介する。
プロジェクト管理ツールといえば、プロジェクトの管理者を主体にして業務改善のためのさまざまな機能を盛り込んでいることが多い。デンソークリエイト プロジェクトセンター デスクの栗山順次氏は、同社の「TimeTracker FX」は「“現場の改善活動を支援する”ことをコンセプトに、従来のツールとは異なるアプローチで開発されているのが特徴だ」と説明する。
デンソークリエイトはデンソーのカーエレクトロニクス開発部門から分離・独立し、カーナビゲーションシステムを始めとしたITS・自動車制御ソフトウェアなどの先端技術の開発を主力事業としている。また、トヨタグループの一員として、開発現場の業務改善に取り組んできた経緯がある。栗山氏によると、トヨタ生産方式に代表される生産現場における作業時間計測や“見える化”によって生産性を向上させる手法を基に自社向けに開発したのが、TimeTracker FXだという。同社はその後、2004年からTimeTracker FXを市場に提供している。
さらに同社は2010年9月に最新バージョンとなる「TimeTracker FX 3」をリリース。計画機能を強化するなど、50以上の操作性・機能改善が行われている。現場の業務改善にフォーカスしたプロジェクト管理ツールとは、一体どのようなものだろうか。
TimeTracker FXは、クライアント/サーバ型の工数管理・プロジェクト管理ツール。工数管理とガントチャートなどの基本的なプロジェクト管理機能を備えた「Standard Edition」と、Standard Editionの機能に加えて組織やプロジェクト横断での工数分析機能や複数プロジェクトでのガントチャートなどを活用できる「Professional Edition」の2つのエディションが用意されている。
TimeTracker FXでは「現場の業務改善を実現するには、現場スタッフが日々の工数実績を、毎日正確に入力し続けることが必須条件」(栗山氏)という観点から、より簡単に使い続けられるようにドラッグ&ドロップ中心のインタフェースを採用している。キーボードを使った入力操作はほとんど必要なく、マウスだけでほぼすべての操作を行うことができるという。
例えば、現場メンバーにとって最も負荷が掛かる毎日の工数入力も、ドラッグ&ドロップでタスクごとの工数を簡単に入力が可能だ。また、作業をしながら時間を自動的に記録することができる「レコーダー」機能を搭載。作業前にタスクを選択して記録ボタンをクリックすれば、作業終了後にあらためて工数を入力する必要がない。
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