シスコは、ビデオ会議などコミュニケーション製品群の大規模な発表を行った。Androidタブレットや仮想デスクトップといった新機軸の製品を2011年上半期に投入する。
シスコシステムズ(以下、シスコ)は11月24日、ビデオ/Web会議システム製品の機能拡張や拡充を発表した。10月に買収を完了した旧タンバーグ製品との相互運用性を高める一方で、VDI(デスクトップ仮想化)技術を利用した新しいコラボレーション製品も投入する。
シスコは、ビデオを同社が掲げるコラボレーション戦略の重要点に位置付け、全コミュニケーション製品にビデオ機能を搭載するとしている。そのため、ビデオ会議製品やIP電話の呼制御の仕組みを統一する取り組みの一環として、旧タンバーグ製の会議端末に呼制御機能を提供するVCS(Video Communication Server)をCUCM(Cisco Unified Communications Manager)に統合し、直接接続できるようにする。従来、両者の接続には個別のシステム構築が必要だった。当初は多機能IP電話「Cisco IP Video Phone E20」が対応する。
また、ビデオ会議シリーズのラインアップに「TelePresence 500」(32インチのエグゼクティブ向けパーソナル会議端末)、「同EX60」(21.5インチの省スペース型デスクトップ会議端末)が追加。Web会議サービス「WebEx」も高画質化(640×360p)が図られる。ビデオ会議新製品は2011年第1四半期、WebEx最新版は2010年11月に出荷する予定。
同日、2010年6月にシスコが発表した7インチのAndroid搭載タブレット端末「Cisco Cius」の実機が国内で公開された。IP電話型のドッキングステーションとの着脱ができ、同社のビデオ会議システムの端末として利用するなどコラボレーション用途のモバイル端末としての活用を想定している。2011年上半期中にリリースするという。
併せてシスコは、ビデオや音声を利用するコラボレーション用途にVDI技術を最適化するフレームワーク「VXI(Virtual Experience Infrastructure)」を発表した。VXIは、PCやタブレット端末、スマートフォンの各デバイスにVPN、WAN高速化、セキュリティ管理、ストレージ管理などの、コミュニケーションを支援する各アプリケーションを配備した仮想デスクトップの統合環境を実現するソリューションとなる。VDIソフトウェアとしてVMware View 4.5とCitrix XenDesktop 5を採用し、EMCジャパン、ネットアップ、マイクロソフトなど大手ベンダーの製品やデータセンターとの相互運用性が検証された状態で提供する。
同社はVXIの第一弾として、VDIを搭載するシンクライアント「Cisco VXC 2100」「Cisco VXC 2200」の2製品を2011年上半期中に出荷する予定だ。前者はIP電話「Cisco Unified IP Phone 8900/9900」にモジュールを追加するタイプ、後者はスタンドアロン型の製品。いずれもPoE(イーサネット給電)で稼働し、ディスプレー、キーボードをつないでビデオ/音声会議端末として利用できる。さらに、Cisco CiusをVXI対応クライアントとして利用することもできるという。
同社代表執行役員 社長の平井康文氏によると、今回の発表は「われわれにとって、コラボレーション/コミュニケーション分野ではこれまでで最も大規模な内容となる」という。「コラボレーションは単なる技術ではなく、ワークスタイルを変革するもの。利用するデバイスに合わせるのではなく、あくまで人が主役でなければならない。VDIは適材適所のツール利用に欠かせないソリューションであり、この分野でリーダーシップを取りたい」(同氏)
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