IT部門の役割とは?
IBMのCIOが語るITリスク管理、モバイル端末セキュリティ(後編)
IBMのパット・トールCIOに、iPadやスマートフォンの導入状況や、ビジネス目標、同社におけるCIOの役割などについてインタビューした。
前編に引き続き、米TechTargetが米IBMのCIO パット・トール氏に聞いたIBMにおけるCIOの役割の進化や、ITリスク管理の面で同氏が懸念している問題、同社内のアプリケーション開発やモバイル端末のセキュリティ対策について、インタビュー形式でお伝えする。
―― IBMは積極的なビジネス目標を設定しており、それらはIT部門にとって重要課題となります。その1つが、2010年度に11ドル、2015年度に20ドルの1株利益を達成するというものです。2010年度については11ドル42セントで目標をクリアしています。IT部門はこれらの目標の達成にどのように貢献していますか。
トール われわれは、2010年度の1株利益は11ドルを上回る見通しであることを発表しました。2015年度の目標達成へのロードマップでは、内部成長と買収が大きな柱となっています。しかし、生産性向上や自社株買い戻し、年金プランの見直しといった方策も重要です。そこで私は、ビジネス部門と協力してビジネス計画を策定する際には、計画が1株当たりの利益構造にどのような影響を与えるか、1株利益にどれだけ貢献するかを検討するようにしています。われわれのビジネスケース(投資対効果検討書)の内容は、IBMのコントローラーの承認を経た上で、われわれのオペレーション計画として具体化されます。
―― IBMにおけるCIOの役割の進化には興味深いものがあります。かつてIBMには、全社で100人以上のCIOがいました。どのような経緯でCIOを1人置く体制に変わったのですか。
トール 発端は1990年代にさかのぼります。当時のIBMは会社分割を考えていました。そのために多くの部門が、会社の機能を網羅した自己完結型の組織になったのです。しかし、ルー・ガースナーがCEOとして入社し、IBMの本当の力は、部門間の統合によって発揮されると判断しました。そこで今度は、われわれは組織の集中化へと舵を切りました。2006年までにわれわれは、グローバルに統合された企業というモデルへの移行を始めていました。しかし、移行を実現するには、グローバルな企業プロセスのテンプレートを作成しなければなりませんでした。われわれはこのモデルを追求し、IT部門では、ビジネス変革に向けたシェアードサービスの一括提供を目指しました。そして今では、単一のシェアードITサービス組織となっています。
―― あなたはIT部門を、「運用(Run)」「変革(Transform)」「統合(Integrate)」という名前の3チームに分けています。これらのチームはどのように連携して機能するのですか。
トール 「運用」チームは、アウトソーシングパートナーであるIBM Global Servicesと緊密に協力し、インフラ全体を担当します。その一環として、オペレーションの観点からビジネス部門のアプリケーションポートフォリオを管理しています。ビジネスプロセス全般と、それらのプロセスの実行に必要なアプリケーションに目を配っているのです。さらに、オペレーション上の目標数字が達成されるように、インフラについて、高い可用性と適切な構造および投資を確保しています。
「変革」チームは、会社を変革する取り組みを担当します。その中には、先ほどお話しした1株利益の目標達成に向けた方策のほか、大規模な戦略プロジェクトや、企業リスク管理対策、コンプライアンス対策などが含まれます。
「統合」チームはビジネス部門に組み込まれ、地理的に分散しており、ビジネス部門が求める要件をわれわれが理解する手助けをします。このチームは、システムや施策の展開で他の2チームと密接に協力するとともに、ビジネス部門の日々の業務に携わっています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[アトラシアン株式会社] IT運用や従業員サポートは生成AIでどう変わる? 使い方や導入の流れは? -
製品資料
[株式会社みらい翻訳] 音声翻訳活用の課題を解決、“本当に使える”ツールの特徴とは? -
製品レビュー
[Wrike Japan 株式会社] 400店舗を支えるWalmart Canada、散在する情報やアナログな管理をどう変えた? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 年間100件超のDXプロジェクトを統合管理、JERAはどのように実現した? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] グローバルなクリエイティブ業務を合理化、エスティーローダーに学ぶ実践のコツ
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
2
身代金支払いは逆効果 情シスのためのランサムウェア対策ガイド2026
-
3
自社を守る「SCS評価制度」活用法 7割の企業が取引先起点の情報漏えいに直面
-
4
ランサムウェア、暗号化の89%は深夜 情シスが備える「夜間の空白」対策
-
5
多要素認証導入済みでもランサムウェア被害に 復旧費用は平均2億7000万円
-
6
「技術屋」で終わるか、部長へ昇格するか 今取りたい「IT×ビジネスの認定資格」5選
-
7
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
8
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
9
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
10
AIエージェントを暴走させない設定、済んでますか? 対策5選を専門家が紹介
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
「スクラム」と「カンバン」の違いとは? アジャイル型開発手法を徹底比較
-
8
AI時代に成功するための「ナレッジマネジメント」ベストプラクティス
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー