VMware vSphere 4.1では従来同様、選択するエディションにより利用できる機能が制限される。従って、利用する機能が該当エディションで利用できるかを計画時にチェックすることが必要だ。
VMware vMotionは、前のバージョンのVMware vSphere 4.0までは、Advancedエディション以上でないと利用できなかった。だが、vSphere 4.1からはStandardエディションで利用できるようになった。従って、新規でVMwareを利用するユーザーは、vSphere 4.0のころよりも安価なライセンス価格でvMotionを購入できるようになった。
また、年間サポート契約でvSphere 4.0のStandardエディションを利用しているユーザーは、4.1にバージョンアップすることでvMotionを利用できるようになるが、その際はVMware vCenter Serverも4.1にバージョンアップしなければならない。
ちなみに、vCenter Server 4.1からは稼働前提サーバOSがWindows 64ビット版になる。今まで32ビット版を使用していたユーザーは、バージョンアップを含め検討する必要がある。もし、サーバOSを64ビット版にバージョンアップし、vCenter Serverも4.1にバージョンアップする場合、ハードウェアリソースが足りるかどうかを計画時に検討した方がいい。
VMware vSphere 4の価値を最大化する管理ツール「vSphere Client/vCenter Server」
ハイパーバイザーの製品比較:仮想化プラットフォームにおいて最高のワークロード統合率を実現するには
仮想マシンに割り当てる仮想CPU(vCPU)数はラインセンスのエディションによって制限がある。4CPUまではどのエディションでも設定できるが、5CPU以上8CPU以下の仮想マシンを稼働させるには、最上位のEnterprise Plusエディションでなければならない。最近はSAPなど基幹システムのサーバ群を仮想化する事例が増えてきており、5CPU以上の仮想マシンを構築するケースもあるので注意が必要だ。
ちなみに、必要機能はStandardエディションで充足するが、ごく限られた仮想マシンだけ5CPU以上で利用したい場合は、同じクラスタグループ内でStandardエディションとEnterprise Plusエディションのサーバを混在させることができる。
ただし、サーバのハードウェア障害に備えて予備機を準備するような環境では、予備機をEnterprise Plusエディションにしないとフェイルオーバーした際に仮想マシンが起動しない障害が起こる。予備機をStandardエディションとEnterprise Plusエディションの2台で用意した場合、5CPU以上の仮想マシンはEnterprise Plusエディションのサーバで自動的に起動するように制御されている。
vSphere 4.1のライセンス比較については、「VMware vSphere 4.1エディション別機能」も参考になる。
2006年からサーバ統合を中心とした仮想化にかかわる。現在は仮想基盤をベースとしたプライベートクラウドの推進責任者として計画から設計、構築、運用までのコーディネータとして事業を推進している。
-VMware認定技術者:VCP(VMware Certified Professional)
-PMI認定:PMP(Project Management Professional)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
さまざまなメリットをもたらす仮想化環境だが、2023年にVMwareが買収されたことで、ユーザー企業は難しい判断を強いられている。そこで、コストメリットも大きい、仮想化環境のモダナイゼーションの方法について解説する。
データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。
OSの移行には「データ移行」が付き物だが、その業務負荷の高さに悩まされているIT管理者は多いだろう。Windows 11への移行を進める前に知っておきたい、「データレスPC」の有効性や、導入で得られる“プラスα”のメリットを解説する。
技術や市場の変化が激しい自動車業界にあって、長年、数多くの自動車メーカーに部品を供給してきた東海理化。同社は変化に柔軟に対応するためのDX推進に当たって、これまで運用してきたレガシー仮想環境からの移行を断行する。
ハイブリッド/マルチクラウドへ移行する企業のIT環境だが、クラウド同士の連携は複雑な上に、運用も非効率になりがちだ。そこで、この問題を解消するためのハイブリッド/マルチクラウドプラットフォームを紹介する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。