無計画なサーバ仮想化の導入は、後々のリソース不足やオーバースペックによる過剰投資を招く。本稿ではSMBがサーバ仮想化で失敗しないための3つのプロセスから、既存環境の現状分析と移行作業のポイントを解説する。
一昔前まではサーバ仮想化は難しいもの、ハードルが高いものとして中堅・中小企業(SMB)では敬遠されがちであったが、今やあまたの仮想化ベンダーがサーバ仮想化を実装するためのハイパーバイザーを無償提供するようになり、個人ですら自宅でサーバ仮想化を導入できるほど、身近で簡単なものとなった。
しかし、個人環境で使用する場合はさほど気にせずともよいが、第1回の記事「クラウド時代に中堅・中小企業がサーバを仮想化する7つのメリット」でも紹介した通り、SMBがサーバ仮想化を導入する際には、マイグレーションの容易性や可用性の向上など、仮想化ソフトウェア特有の付加価値機能が往々にして求められる。それらの適切な現状分析・将来像設計を怠り、無計画にサーバ仮想化導入を推し進めると、たちまちメモリやHDDなどのリソース不足に陥ったり、逆にCPUの稼働率が低いなどの過剰投資が後々露呈することになりかねない。
そこで本稿では、サーバ仮想化前の既存環境の分析から始まり、導入中の移行作業、移行後の監視・バックアップ運用に至るまで、一連のPDC(Plan、Do、Check)のポイントとなるプロセスについて解説する。
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