【市場動向】日本の常識が通じない中国拠点へのSAP ERP導入、そのコツは?グローバルテンプレート活用がポイント

中国拠点へのERP導入は分からないことばかりだ。法制度や商慣習、人のマネジメントで戸惑っている日本企業は多い。SAP ERPの中国拠点導入で実績が多いSCSKがポイントを解説する。

2012年07月05日 09時00分 公開
[垣内郁栄,TechTargetジャパン]

 生産拠点から販売、研究開発の拠点へ――日本企業における中国拠点の位置付けがますます重要になっている。製造業だけはなく、販売や企画の拠点としてサービスや一般消費財の企業の進出が続いている。企業の進出に合わせて導入されるのが「ヒト・モノ・カネ」を管理するERPパッケージだ。しかし、法制度や商習慣が大きく異なるだけに日本の常識でERPを導入しようとすると失敗する。本稿では、6月12日に都内で行われた「SAP Forum」で講演したSCSKの説明を基に、中国における「SAP ERP」導入のポイントを紹介する。

ERP導入に2つの課題

 中国でERPを導入する場合の課題は主に2つある。1つは法制度とそれに伴う課題。もう1つは人にかかわる課題だ。法制度について、中国では中国の会計基準に基づく財務諸表の作成が当然ながら求められる。中国では勘定科目の項目などが中国当局によって決まっていて自由度は少ない。SAP ERPが対応できない場合は改修やアドオンが必要になる。決算期も12月期で固定だ。

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