GMOクラウド Publicの最大の特徴は、仮想サーバ(インスタンス)の「貸し出し方」にある。「インスタンス型クラウド」と称される他のパブリッククラウドとは区別される「リソース型クラウド」とは?
本連載「企業向けシステムを構築するパブリッククラウド」ではさまざまなパブリッククラウドについて解説している。今回はGMOクラウドの「GMOクラウド Public」を取り上げる。サービスインから約1年で顧客数約1000社という急成長の理由はどこにあるのか。同社への取材をベースに、その特徴を整理してみたい。
連載インデックス:企業向けシステムを構築するパブリッククラウド
GMOクラウドは、GMOグループの一翼を担うIT基盤提供会社である。GMOグループは証券会社からオンラインゲーム、DNSサービスまで、インターネットを活用した幅広い事業をカバーする66の企業から成る。「日本を代表する総合インターネットグループ」を掲げているが、その名に恥じないカバレッジを誇っている。その中でGMOクラウドは、ホスティング事業(旧「アイル」)をベースとし、2005年9月に「GMOホスティング&セキュリティ株式会社」という商号を経て、2011年4月に現在の名前「GMOクラウド」になった。
GMOクラウドの事業内容は、大きく分けて次の3つである。
(1)ホスティングサービス(従来型およびクラウド型)
(2)セキュリティサービス(証明書発行、マルウェア検知など)
(3)ソリューションサービス(SaaS提供)
このうち(1)ホスティングの中のクラウド型にもさらに2種類ある。プライベート型の「IQCloud」と、今回紹介するパブリック型の「GMOクラウド Public」である。
GMOクラウド Publicの最大の特徴は、仮想サーバ(インスタンス)の「貸し出し方」にある。本連載でこれまでに紹介してきたIaaS型のクラウドサービスとは考え方が大きく異なっているので、そのあたりから説明していきたい。
まず、「GMOクラウド Public」は、「リソース型クラウド」を旗印としている。同社によればAmazon Web Services(AWS)などをはじめとする他のパブリッククラウドは「インスタンス型クラウド」と称され区別される。リソース型クラウドでは、ユーザーはリソースを借り、その上にインスタンスを立てるという2ステップになる。直接インスタンスを借りられる他のクラウドと比べると1ステップ増える。ユーザーには仮想化基盤のハイパーバイザー機能(の一部)が開放される。ハイパーバイザーは、多機能な「Xen」と、高パフォーマンスな「KVM」から選択できる。ただ、ユーザーは、ハイパーバイザーを直接操作するのではなく、Webの管理画面(クラウドポータル)を通じて行うので、専門的な知識は必要ない。
リソースは、一定のボリューム単位でセットになっており(「パック」と呼ばれる)、月単位で契約して利用するのが一般的なようだ。パックの一覧を表1に示す。
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