SSDの購入を考えている人は今が買い時かもしれない。SSDメーカーの業績速報やメモリメーカーの減産の動きなどに、SSDが近いうちに値上がりする前触れが読み取れるからだ。
独立系SSD(ソリッドステートドライブ)メーカー最大手の一角を占める米OCZ Technology Groupは2012年9月5日、同社の2013年度第2四半期(2012年6〜8月期)の業績速報を発表し、売上高が従来予想を下回ったと報告した。同社のAgilityおよびVertexシリーズのSSDに使われるNANDフラッシュメモリの供給不足が響いたとしている。
「第2四半期は想定以上の受注高を達成できたが、売上高は以前に発表した予想に届かなかった。NANDフラッシュの調達に制約が生じたことが主因だ。8月に業界全体で特定のNANDフラッシュコンポーネントの需給が引き締まり、われわれは大幅な不足に陥った。VertexおよびAgilityラインの製品に採用している20ナノメートルクラスのMLC(マルチレベルセル)NANDの供給を十分に受けられなかった」。OCZ Technologyのライアン・ピーターセンCEOは、業績速報の発表に伴う声明でそう述べた(※訳注:OCZは9月17日、ピーターセン氏の辞任とアラン・メイ氏の暫定CEO就任を発表した)。
売上高が従来予想を下回った理由が、NANDフラッシュの供給不足というのは少々意外だ。OCZのドライブはこのところ安価に販売されているからだ。例えば、米コンピュータ販売のMicroCenterでは、120GバイトのAgility 3が84.99ドル、240GバイトのVertex 3が189.99ドルで販売されており、これらは1年前の約半値だ。
また、OCZによる業績速報発表の3カ月前に、メモリ最大手の1社である日本の東芝は、DRAMを工場に応じて20〜30%減産した。減産の理由は、DRAM価格の下落をもたらしている過剰供給問題だと説明している。
OCZの発表にアナリストは首をひねった。「過剰供給は続いている。部品不足で製品を作るのに困っている企業は他にはない。OCZの発表について投資家やNANDフラッシュサプライヤーと話したが、誰もが同社の説明に釈然としていない」と、米Objective Analysisのメモリ市場担当主席アナリスト、ジム・ハンディ氏は語った。
米IHS iSuppliのメモリおよびストレージ担当主席アナリスト、マイケル・ヤン氏も、OCZの説明に納得しなかった。「第2四半期にメモリは供給過剰で、ASP(平均販売価格)が大幅に下落した。下落率は第1四半期比で最大40〜50%に達した」
OCZのDRAMのメインサプライヤーは米Micron Technologyだが、MicronとOCZはいずれも決算発表前の静粛期間に入っているため、この件に関する補足はなさそうだ。
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