第3の選択肢「ERP on パブリッククラウド」、その可能性を聞いたケンコーコム、ミサワホームなどが移行

ケンコーコム、ミサワホームなど既存のERPをパブリッククラウドに移行する事例が相次いでいる。AWSなどクラウドサービスの機能充実が背景にある。パブリッククラウドのメリットとは。

2013年04月22日 08時00分 公開
[垣内郁栄,TechTargetジャパン]

 これまでSaaSプライベートクラウドでの利用が多かったERPクラウド利用で、パブリッククラウドを活用した事例が多くなってきた。特に機能が充実した米Amazon Web Services(AWS)の IaaS「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)を利用するケースが目立つ。企業はこうした「ERP on パブリッククラウド」をどう捉えればいいのか。ガートナー ジャパンのアナリスト 本好宏次氏に聞いた。

 企業がERP on パブリッククラウドに注目する背景には、オンプレミス型ERPや既存のクラウドサービスに対するこれまでの不満がある。オンプレミスでは、高額なハードウェアやミドルウェアを自社で用意したり複雑なシステム運用管理を行う必要があり、導入期間も長い。企業はこれらの不満の解消をクラウドに期待してきた。だが、既に利用が進んでいるSaaSのERPでは柔軟性が低く、自社の都合に合わせてERPをカスタマイズすることが難しい。またSaaSでは専用のERPパッケージが用意されていることが多く、自社がこれまで使っていたERPを流用することができない。

 一方、自社内にクラウド環境を構築するプライベートクラウドでは、ERPを自由に構成できるものの、ハードウェアやミドルウェアを自社で用意する必要があり、オンプレミス環境と比べて大きなコストダウンを実現できるというわけではない。ERPの利用規模に応じたリソース追加などの拡張性や柔軟性も乏しい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news064.jpg

2025年のマーケターが「生成AIでテレビCMを作る」よりも優先すべきことは?
AIが生成した広告に対する反発が続いた1年を経て、マーケターはパフォーマンス重視で非難...

news070.jpg

CMOはなぜ短命? なぜ軽視される? いま向き合うべき3つの厳しい現実
プロダクト分析ツールを提供するAmplitudeのCMOが、2025年のマーケティングリーダーに課...

news214.jpg

トラフィック1300%増、生成AIがEコマースを変える
アドビは、2024年のホリデーシーズンのオンラインショッピングデータを公開した。