新たなトレンドになりつつある“BYOT”の影で
CIOが本音トーク「モバイル持ち込みにちょっと困っています」
最近の顕著なトレンドであるBYOT。企業のIT部門にはまたとない機会がもたらされるが、同時に新たな頭痛の種ともなる。
BYOTポリシーの管理に頭を悩ませるIT部門
米TechTargetは読者対象の「Twitter会議」を開催し、「これからのIT業界のトレンド」について意見を出し合った。読者のうち何人かのCIOに、「BYOT(※)ポリシーは皆さんにとって大きな懸案事項か。それとも優先度は既に下がったか」と質問を投げ掛けて調査を行った。
(※)BYOTは「Bring Your Own Technology」の意味。私物端末の業務利用「BYOD(Bring Your Own Device)」とほぼ同義で使われるが、BYOTの場合はユーザーが独自にカスタマイズしたデバイス/ソフトウェア/サービスを含むことがある。
回答もTwitterで送信してもらったが、BYOTに関する社内規定の管理に大いに悩んでいるIT担当者の状況が推察されるようなコメントが多かった。「BYOTポリシーの策定は重要な懸案事項だ」とする回答者は、実に75%近くに上る。その理由として、「コンシューマライゼーション」の拡大、新しいデータ形式、セキュリティの必要性の高まりなどが挙げられた。
- 「BYOTがビジネスにとって優先度の高い状況は、当分続くだろう。完成度の高いモバイル戦略を立て、それを実践することがBYOTを実現させるためのカギとなる」
- 「BYODは勢いを増している。その勢いはコンシューマライゼーションの拡大によるものであり、増え続けるコストの懸念が大きくなっている。現状を深刻に受け止めなければならない」
- 「CIOはBYODに気を配り、ユーザーが使いたいと希望している端末全てを把握し、また管理すべき新しいデータ形式を確認しておく必要がある。最も重要なのは、恐らく、データの安全を守ることだ」
- 「BYODポリシーについては、分担だけでなく責任範囲についても線引きを明確にすべきだと感じている。デバイスについては、最低限の要件、特にセキュリティ面の基準を設けるのが適切な処置だ。例えば、Samsungは『デュアルペルソナ』(1台の端末に業務用と個人用の両方の環境を共存させて使い分けること)を実現するアプリまたはメカニズムを搭載したスマートフォンを発売したと最近聞いた。ハードウェアメーカーは、その分野のテクノロジーには近い将来、必ず市場の注目を集めるほどのニーズがあると気づいていると思う。テクノロジーが次々と登場している中、BYODに関する長期的なビジョンを示しつつ、それに連動する短期的な方針を提示するのが賢明なやり方かもしれない」
データセキュリティを楽観視する声も
Twitter会議の参加者によると、また読者からのコメントをまとめてみると、将来のITトレンドが現れる一方で、BYODポリシー管理を強化すべきとの圧力が出てくるだろう。しかし、圧力を掛けているのは誰なのか。
- 「会社の役員会から指示されている。無視するわけにはいかない」
- 「確かにBYODポリシーは大きな悩みの種だ。そもそも、早く決めろと言ってくる人に限って、いざ決めるとその規定に従おうとはしない。口ばかり達者で」
今回の調査で、BYODの優先度は一時期に比べて下がりつつあるという回答はわずか18%にとどまった。なお、7%の回答者は、ここまでに挙げた回答とは全く異なる方向性のコメントを寄せた。BYOTへの対応に苦慮しているIT部門が多いことはここまでに示した通りだが、データセキュリティ、業務用と個人用のデータ区別に関しては、一部の回答者は楽観視している。
- 「確かに大きな懸念だが、その一方で、われわれの考え方を改め、セキュリティに関する方針を変えるときが来たという捉え方もできる。当社では従業員に、使いたいデバイスに応じたセキュリティ研修を受講してもらった上で、業務利用を認めることにしている。現在分析とプランニングを進めているところだ」
- 「ただ単に心配する前に、社内コンプライアンスのよりどころとなっている事業目的を思い出すべきではないか。利便性と風潮に流されて、これまで守ってきたビジネスとセキュリティを犠牲にする必要はない」
この調査結果を公開した後も、Twitter会議の参加者や読者が寄せてくれたコメントでの予言はどんどん現実化しているように見える。CIOが将来のIT業務の傾向を検討する中で、BYOTポリシーの管理に頭を悩ませる機会は今後も増え続けるだろう。
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