生産現場のグローバル化が進み、製造業界に変化が表れ始めた。特定の消費者が求めるオーダーメイド型の商品を生産できる未来型工場への転換が進んでいる。“世界に1つだけのスマートフォン”は生まれるか。
今、消費者の間ではカスタマイズが大はやりだ。携帯電話アプリのカスタマイズからオーダーメイドの服に至るまで、消費者は買ったものを「世界に1つだけのもの」にすることが当たり前になりつつある。そこでメーカーは、これまでの見込み生産体制から、規模を縮小して受注生産ベースへと方針転換を図りつつあると、米調査会社IDCの「Manufacturing Insights」(製造業の深層)は伝えている。
IDCはこの傾向を分析し、「The journey toward the factory of the future」(未来の工場への旅)と題したビデオリポートにまとめて、先日同社のWebサイト上に公開した。
このビデオリポートは、欧米諸国の部品メーカーおよび加工業者90社(大手から中小企業まで満遍なく含まれる)に対してインタビューを行って集めた情報をまとめたものだと、IDCのアナリスト、ピアフランチェスコ・マネンティ氏は語る。同氏はヨーロッパ、中近東、アフリカを担当する同社支社の代表で、ビデオリポートでも主に発言している。
「『未来の工場』に照準を絞って分析することに決めた理由の1つは、最近の数年で製造業の重要性が増してきたことに気付いたからだ」とマネンティ氏は説明する。「最近5年間の(経済)危機が転換の契機となった」(同氏)
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