スマートフォンやタブレットから有線/無線で映像配信
iPhoneやiPad、Android端末の動画を大画面テレビで楽しむ方法10選
スマートフォンやタブレットの画面サイズでは迫力が足りない――。そう感じているなら、スマートデバイスをテレビにつないでみよう。有線/無線ともに、接続手段は充実している。
ノートPCやタブレット、スマートフォンの画面を、家のリビングやオフィスの会議室にある60インチの高精細テレビ(HDTV)のような大画面に映したい場合、どうするか。幸いなことに、ケーブルを使うにしても使わないにしても、たくさんの方法がある。だがこのことは、同時に悪い知らせでもある。どの方法もハードウェアと端子に依存しており、特に無線を使う方法では混乱が起こりやすいからだ。以下では、これらの方法の基本を解説しよう。
ケーブルを使う方法
テレビ画面をコンピュータのモニターに変身させるのは、かつては難しい芸当だった。ただし今では、適切なケーブルさえあれば比較的簡単にできてしまう。
HDMI
デジタル機器間の映像/音声伝送規格「HDMI」に対応したデスクトップPCやノートPCと、HDMIポート搭載のテレビを持っている場合は楽勝だ。必要なのは、両者をつなぐケーブルだけ。HDMIケーブルは、1本で映像信号と音声信号の両方を伝送するので、一方の端をテレビへ、もう一方の端をコンピュータへ接続し、テレビの入力元を切り替えるだけで済む。至って簡単だ。HDMIが最も広く使われている接続規格の1つなのは、こうした手軽さのためだろう。
「Surface 2」などの一部のタブレットはHDMI Microポートを備えており、HDMI-HDMI Microケーブルを使えばテレビへ接続できる。だが多くのデバイスはHDMI Microポートを備えず、Micro-USBポートしか搭載しない。この場合、Micro-USBからHDMIへ接続するための「MHLアダプター」が必要になる。本稿執筆時点で、無名ブランドのMHLアダプターは10ドル程度で販売されており、ここ数年に作られたスマートフォンやタブレットのほとんどはMHLに対応している。
Apple Digital AVアダプタ
米Appleの「iPhone」「iPod touch」「iPad」も、同社純正のアダプターである「Apple Digital AVアダプタ」経由でHDMIポートにつなぐことができる。旧機種向けの「Apple 30ピンDigital AVアダプタ」は約40ドル、「Lightning - Digital AVアダプタ」は50ドルとなっている。
VGA
ニーズによっては、HDMIケーブルを使う必要はないかもしれない。最近のほとんどのテレビは、VGA端子も備えている。この端子に入力して映せば、テレビは、全てのモニターの原型であるVGAモニターに変身する。この方法の唯一の難点は、VGAでは映像信号しか伝送されないことだ。ただし、音声を使わないなら、VGAケーブルでコンピュータをテレビにつなげば事足りる。
音声が必要な場合は、別のケーブルでコンピュータの音声出力端子(ノートPCやタブレットのヘッドフォンジャック)とテレビの音声入力端子をつなげばよい。アナログ音声/映像の伝送用のRCA端子を持つ音声ケーブルとアダプターが必要となるかもしれないが、こうすればコンピュータからテレビへ音声を出力できる。
DVI
DVI(Digital Visual Interface)ポートも、多くの従来型コンピュータやHDTVで広く採用されており、両者の接続に利用できる。テレビにDVIポートがなくても、DVIを利用した接続は可能だ。その場合は、DVI-HDMIケーブルさえあればよい。ただしDVIは、VGAとほぼ同じように機能し、音声を含まない。音声が必要なら、コンピュータとテレビを音声ケーブルでつながなければならない。
S映像
S映像端子は丸い形で、4~9個のピンを持つ。S映像端子はアナログ映像信号の入出力に利用し、音声信号は伝送しない。ただし、適切な種類のケーブルやアダプターを使うことで音声も利用できる。解像度が高くない旧型のテレビを使っている場合、S映像端子を利用するのが最善策だ。テレビにS映像端子がなくても、S映像-RCAケーブルを買えば、その旧式テレビのRCA端子へ直接接続できる。音声については、VGAとDVIの項で説明した方法を使えばよい。
S映像はほぼ廃れた規格であり、新しいノートPCではまず採用されていない。VGAも絶滅への道を歩み始めている。端子がかさばるため、メーカーが薄型軽量デバイスに組み込みにくいからだ。
無線を使う方法
ケーブルなしでコンピュータをテレビへ接続するのは、残念ながら少々厄介だ。競合する規格が乱立して混乱を招いているだけでなく、各規格の制限があるからだ。ただし、ケーブルなしで接続するのは不可能ではない。使っているデバイスの種類とテレビの構成に応じて、幾つかの接続方法が利用できる。
WiDi
米Intelが開発した「WiDi」(かわいい語感を狙ったWireless Displayの略語)は、1080p(解像度1920×1080ピクセル)の映像と音声信号を、ケーブルを使わずにHDTVへ送信できる技術だ。Wi-Fi Direct(デバイス同士が一般的なWi-Fiネットワークを使わずに直接やりとりできる無線通信規格)を介して機能する。ここ数年に作られたデバイスの多くは、WiDi機能を搭載する。WiDiへの対応状況が、デバイスのパッケージにロゴとして示されている場合もある。
WiDiを利用するには通常、HDMIケーブルでHDTVの背面に接続する「WiDiレシーバー」を購入しなければならない。WiDi 3.5以降に対応する新しいWiDiデバイスは、後述するMiracastレシーバーと共に使うこともできる。ほとんどのインターネット対応HDTV(ソニーや韓国Samsung Electronics、韓国LG Electronicsなどの製品)は、Miracast受信機能を内蔵している。だが後述のように、常にうまく機能するとは限らない。
Miracast
多くの人から“AirPlayキラー”と目されているMiracastは、Android 4.2以降を搭載するデバイスで動作する。「名は体を表す」の通り、Miracastは、Androidデバイスの画面をユーザーのHDTVに“ミラー”リングや“キャスト(送信)”をする。1080pの映像と5.1サラウンドの音声を伝送可能だ。
MiracastもWi-Fi Directを介して機能する。Miracastを利用するには、Miracast対応のHDTVか、HDTVに接続するスティック型のMiracastアダプターが必要になる。
Miracastに問題があるとしたら、それは断片化だ。SamsungやLGのような大手メーカーがMiracastをサポートしているが、Samsungは自社のMiracast機能を「AllShare」と呼び、LGも自社機能を「LG Smart Share」と呼んでいる。しかも、SamsungのAllShare対応のスマートフォンは、LG Smart Share対応のHDTVで利用できないことが多い。Miracastをサポートするメーカーの製品間では、こうした問題が起こりがちだ。
Apple AirPlay
iPhone 4S以降、iPad 2以降、iPad mini、第5世代iPod touch、2011年以降にリリースされたMacBookを持っていれば、煩わしいケーブルを使わずにこれらのデバイスをテレビへ接続できる。その方法は簡単で、99ドルのセットトップボックス「Apple TV」を使うというものだ。この方法はほとんど手間が掛からない。「シンプルに動く」製品に裏打ちされたAppleのお家芸の一端を示すものだ。ただし、残念ながら、この方法でテレビにつなぐことができるのはApple製品に限られる。
Chromecast
35ドルの投資で手に入る米Googleのスティック型デバイス「Chromecast」は、HDTVのHDMIポートに接続して使う。WindowsやiOS、Android搭載デバイスを仮想キャスティングハブに変身させることができる。ChromecastをWi-Fiネットワークにつなぐだけで準備は完了だ。Chromecastは対応アプリと連係して機能するようになっており、対応アプリは増えている。その中には「Netflix」「YouTube」「Hulu Plus」「Pandora」「Google Play」といったコンテンツ関連サービスに加え、Webブラウザ「Google Chrome」のタブなどが含まれる。Google Chromeのタブは、エンターテインメントセンターとして使っている自分のデバイスを、仕事用の生産性センターとして活用するのに最適かもしれない。Googleドライブを使っている場合はなおさらだ。
ワイヤレスHDMI
HDMI信号をテレビへ無線送信できるワイヤレスHDMIキットが数多く販売されている。価格は通常125~200ドルで、米Hewlett-Packard(HP)や米IOGEARのような有名メーカーが手掛けている。一般的に、こうしたキットを使うには、コンピュータとテレビにそれぞれトランスミッタやレシーバーを物理的に接続する必要がある。ケーブルと縁を切りたい人にとっては悪くないセットアップだが、物理コンポーネントを追加するためのスペースを作らなければならない。
その他の規格も登場
信じられないかもしれないが、既に断片化が進んでいるこの分野には、以上に述べてきた以外にも、競合する無線伝送規格が存在している。これらは今のところ、強力な選択肢ではない。ただし注視していく価値はあり、近い将来、大きな存在感を持つ可能性もある。
例えば、「DIAL(DIscovery And Launch)」は本格的な競合規格だ。Googleやソニー、米TiVo、LGなどの支持を獲得しているからである。GoogleのChromecastはDIALを採用している。GoogleはChromecastだけでなく、DIALの機能を将来のデバイスにも統合することで、この規格を推進することに関心を示している。
米Qualcommの「AllPlay」という規格もある。同社はAllPlayを、AppleのAirPlayに対抗するオープンでより汎用的な技術として売り込んでいる。AllPlayはQualcommが2013年9月に発表した規格で、2014年から対応デバイスが登場しそうだ。
では、「DLNA(Digital Living Network Alliance)」はどうか。DLNAは規格そのものも指すが、正式には業界団体の略称だ。DLNAは、デジタル機器がプラグ&プレイで相互に接続され、協調して動作することを目指している。約10年前にソニーの提唱で発足したが、現在ではIntel、HP、台湾HTC、米Microsoft、Samsung、LG、パナソニックなどが加盟している。加盟企業には、関連分野を手掛けるほとんどの企業が名を連ねているが、Appleは加盟していない。
基本的に、加盟企業は皆、Wi-Fi接続を介して連係する機器開発の取り組みに同意している。これらの企業は、ビデオストリーミングのためのサブ規格「DLNA Premium Video」も考案した。
考慮点
HDTVの大部分は1920×1080ピクセルの解像度をサポートしているが、ノートPC、タブレット、スマートフォンの解像度はまちまちだ。このため、画面を伝送する際にフォーマットの変更が必要になる可能性がある。Miracastなど一部の規格では、こうした処理を盛り込んでいる。
また、デジタル著作権管理(DRM)やコピー制限により、キャストできるコンテンツが制限されてしまう可能性もある。多くのコンテンツプロバイダーがDRM制限を撤廃しているが(例えば、AppleのAirPlayユーザーは最近になって、米HBOの映像配信サービス「HBO GO」の映像をキャストできるようになった)、ユーザーは時としてこうした制限に直面することがある。もっとも、自分が作ったMicrosoft Officeのプレゼンテーションやスプレッドシートは、著作権侵害の心配なくキャストできるだろう。
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