クラウドによる医療情報の外部保管が注目される中、その普及に影響を与えるのが情報を保護するための法的な権利だ。医療クラウドの普及を研究している法律の専門家が医療クラウドに関する法制度の現状や今後を占う。
私たちは、健康なとき(より正確には自分が健康だと思い込んでいるとき)は、自身の医療情報について無頓着なものだ。典型的には、以前医師にかかったときの検査結果やCT画像、カルテなどの情報が挙げられるだろう。
その取り扱いについては、多くの人が情報の「Confidentiality(機密性)」が保護されることを願う程度なのかもしれない。一方、行政に携わる人々や法律家、医療機関の管理に携わる人々は、医療情報の機密性を守ることにひたすら精力を費やすことになるようだ。また、医療従事者の多くが医療情報の機密性だけでなく、「Availability(可用性)」と「Integrity(完全性)」に対して常に深い注意を払わなければならない。
情報セキュリティの基本的な要素といえば、先に挙げた“Confidentiality”“Integrity”“Availability”の「CIA」が挙げられる。残念なことに、私たちの多くは必ずしも、これら全てをバランスよく高い水準で達成しようとしているわけではない。私たちはその立場や置かれている状況によって、どれか1つだけ、あるいは2つまでの要素に気を取られてしまい、残る要素をないがしろにしがちなのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
10分でできるデジタル広告最適化 2500億通りのパターンを分析
ノバセルは、デジタルマーケティング領域の新ツール「ノバセル アナリティクス for デジ...
「怒り・恐怖」でクリックを生まない“ポジティブなSNS”は本当に作れるか BuzzFeedが挑戦
BuzzFeedが脱「SNARF」のポジティブなSNSを立ち上げる。狙いは何か。
「逆Z世代」の実態 Z世代のタイパ意識は意外と高くない?
自分はZ世代ではないと考える「逆Z世代」が増加している。大広とD’Zlab.が共同で実施し...