製品にバックドアなどが仕掛けられているという疑惑から、米国進出が進まないHuawei。同社は米国外の市場拡大と米国への浸透の2正面作戦を取る。疑惑は払拭されたのか?
中国の通信機器メーカー、華為技術(Huawei:ファーウェイ)は、今後世界的なITプロバイダーに急成長すると自負しているが、米国での事業拡大については懸念がある。同社は、米国議会の報告書でセキュリティに問題があると見なされて以来、米国市場での事業拡大の難しさに直面している。
だが同社は、IT運用事業をヨーロッパや米国以外の新興市場の広げることで、米IBMや米Ciscoなどの大手IT企業にも対抗できると考えている。米国IT市場も重要だが、Huaweiの成功に欠かせない市場というわけではないと語るのは、同社の最高戦略マーケティング責任者であり役員会のメンバーも務めるウィリアム・シュ氏だ。
「米国市場は広大で重要だが、世界に目を向ければ米国よりも大きな市場はたくさんある」と同氏は話す。
もともとネットワーク機器と通信機器のメーカーだったHuaweiは、2011年にITインフラ全般に事業を拡大した。現在はストレージ、ビッグデータ、データセンター設備を手掛けている。
だが、米国で多額の売り上げを確保するまでには至っていない。米国での売上高は、南米を合わせても、同社の年間売上高400万ドルの13%にしかならない。
元人民解放軍のレン・ツェンフェイ氏が創業したHuaweiは、同社製機器のセキュリティに関する懸念を鎮めようとしているが、米国では依然として疑いの目を向けられている。
米国で2013年10月に発表された下院情報問題常設特別調査委員会の報告は、政府の契約にHuawei製機器を使用することを禁止するよう求めている。また、同社製機器を使用することに伴う長期にわたるセキュリティのリスクについて考慮するよう各企業に要請している。
Huaweiはこの報告書が事実無根であり、浅はかなものだとして取り合っていない。そして、中国政府が同社製機器のセキュリティを危険にさらすことはないと顧客に保証する措置を取っている。
シュ氏はこの論争に触れ、他社の機器のセキュリティについて考えもしないで、特定のプロバイダーの機器だけのセキュリティに懸念を表明することには意味がないと話す。
上海市で開催されたHuaweiのクラウドカンファレンスの際に行われたシュ氏へのインタビューによると、同社は米国以外の地域でのITビジネス拡大に力を注ぐという。
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