IntelのグローバルCIO、キム・スティーブンソン氏は、企業のほとんどのIT部門は「事業の妨げになる行為をしている」と批判。そしてIT部門のあるべき姿を説く。
Computer Weeklyが米IntelのCIO、キム・スティーブンソン氏にインタビューしたとき、同氏はビジネスインテリジェンス(BI)のメリットを絶賛していた。
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同氏は世界最大の半導体メーカーのグローバルCIOとして、6000人ものITプロフェッショナルから成るチームを率いている。このようにスケールこそ大きいもののその役割は他のCIOと大差なく、「いまだにさらなる価値を提供するために地道に取り組んでいる」と話す。
マザーボードの構成部品であるプロセッサ、メモリコントローラー、グラフィックス、サウンドをSoCで1枚のウェハーに統合することで、コンピュータの設計がシンプルになる。必要な外部部品が減り、最終製品の製造コストが抑えられるのだ。
SoCの設計を行うのはエンジニアリングチームで、IT部門はエンジニアリング部門と連携して問題に対処している。「Intelがやることはいつも複雑だが、中でもSoCが大きく異なるのは、それぞれ独自のスケジュールで開発される多様なパーツを統合しなければならないところだ。これらのパーツは統合後にテストすることになる」
ITチームがSoC設計のエンジニアリングプロセスを分析したところ、サイクル時間を短縮することで業務を改善できるプロジェクトを25個ほど見つけた。その1つが、エンジニアリングでの変更点をまとめて最適化するプロジェクトだ。このプロセスの実行に通常8時間かかっており、1人のエンジニアが1日に1つの仕事しか担当できない。
スティーブンソン氏によれば、Intelが統合作業の高速化に用いた原則は、高頻度で行われる取引や地熱分析など、HPCを必要とする全ての企業に当てはまるという。「この原則により、コストを掛けずにパフォーマンスを向上できる」
この原則にはBIもかかわってくるという。「データ分析と予測分析を実行すればするほどデータ量が多くなり、HPCの必要性が高まる。低コストで実現できる方法があるなら、それを利用しない手はない」
IntelのIT部門の役割の1つは、使用シナリオを考案することだとスティーブンソン氏は話す。「どこかの事業部門に出向き、『当社には問題を解決できるデータサイエンスの専門家がいます』と話しても、忙しいことを理由に取り合ってもらえないだろう」と同氏は言う。「だが例えば、『6カ月で1000万ドルの投資を回収できる』と言ったらどうだろう」
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