フラッシュストレージは、注目度の高いテクノロジーだ。ランダムな入出力(I/O)については高性能で、性能面でHDDをはるかにしのいでいる。
フラッシュドライブの内部はどのような構造になっているのだろうか? フラッシュでは読み取り時よりも書き込み時に問題が発生することが多いのはなぜなのか? フラッシュドライブはなぜ寿命が短いのか? フラッシュストレージのメーカーは、こうした問題を克服するためにどう取り組んでいるのだろうか?
本稿では、フラッシュストレージの構造、コントローラーレベルでのフラッシュストレージ管理方法、SSDの効果を最大限に引き出すために一部のメーカーが組み込んでいる巧妙な仕組みなどについて、以下で詳しく解説する。
一般に「フラッシュストレージ」というとき、通常はNANDフラッシュを指す。NANDフラッシュとは、数百万個のNANDメモリゲートがシリコンダイに搭載されたソリッドステートメモリだ。
フラッシュテクノロジーが誕生してからはや30年。その間、メーカーは1枚のチップに搭載するメモリの密度を上げて性能を向上させる競争にしのぎを削ってきた。その結果、高密度化テクノロジーは3次元に拡大し、韓国SamsungはV-NAND(写真)を発売している。
フラッシュは、稼働時に物理的に移動する部品が存在しないという点でシステムメモリに似ている。ただしフラッシュには、電源を切っても書き込まれたデータが消去されない(不揮発性)という、システムメモリにはない特性がある。
データはセル(cell)に格納される。フラッシュメモリ(がデータを記録するとき)の主な方式を表す用語としてSLC、MLC、TLCがあるが、この3つに共通して含まれている“C”の文字は、セルを表している。
SLCはSingle Level Cell(単一レベルのセル)の略で、1つのメモリセルにはオンかオフ、0か1という(2つの値のうちの)1つだけを記録する。値はセルの電圧で識別する。MLCはMulti Level Cell(複数レベルのセル)の略で、2ビットで表現する、00、01、10、11という4種類のデータを格納できる。TLCはTriple Level Cell(三重レベルのセル)の略で、1つのメモリセルに格納できるデータの状態を3ビットで表現する。000から111までの8種類がある。
SSDなどのフラッシュデバイスはNAND型のチップだ。このチップは、コントローラーと呼ばれる付属的な回路やファームウェアも搭載している。コントローラーは、データの読み書きのプロセスを制御するだけでなく、そのプロセスに付随するタスクも管理する役割を担っている。
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