ハイパーバイザーベースの環境でVMライフサイクル管理が重要な場合、コンテナのライフサイクル管理は極めて重要になる。コンテナは驚異的な速さで起動および複製できる。これはコンテナの重要なメリットだが、気付かないうちに大量のコンピューティングリソースを消費する可能性もある。アプリケーションの構成要素であるコンテナが不要になったときに、コンテナが停止または削除されるなら問題ない。コンテナ化したアプリケーションをスケールアップして、後で元に戻すことを忘れた場合、企業は膨大かつ不要なクラウドコンピューティングのコストを負担することになる。クラウドプロバイダーはコンピューティング能力を貸与することで利益を得ているため、このような事態が発生しても一向に構わない。そのため、コンテナの導入状況を確認する責任はユーザーにある。
コンテナの監視と管理に必要なツールの種類は、依然として不足している。これは今に始まったことではない。ハイパーバイザーベースの仮想化の黎明期には、適切なツールの不足が顕著だった。現在では、有用なVMの監視ツールと管理ツールが簡単に利用できるようになったように、コンテナを管理するための新しいツールも提供され始めている。例えば、米Googleが提供するオープンソースのDocker管理ツール「Kubernetes」、Webベースのフロントエンドを使用してLinuxコマンドラインの機能を置き換える「DockerUI」、コンテナのログを一元管理された場所にルーティングする「Logspout」などがある。
VM内でコンテナを使用し、VMツールの監視機能と管理機能を活用することで、管理者は適切なコンテナツールが不足している現状を回避できるとビットマン氏は提案する。VMツールは、コンテナツールより成熟していて豊富な機能が用意されている。そのため、コンテナツールが成熟するまでは、適切な代替ツールとして機能するだろう。
ビットマン氏はコンテナに対してかなり熱心に取り組んでおり、コンテナについて幾つかのことを明言している。コンテナは高密度とスケーラビリティを実現することを目的とする高速で軽量な導入であること、ネイティブ(仮想化されていないI/O)でより高いパフォーマンスが得られること、Dockerなどのすぐに利用できる開発フレームワークがあること、GitHubなどの共有およびコラボレーション用の有名なツールがあることを保証している。だが、コンテナは全ての仮想タスクを対象とするユビキタスなソリューションではない。そのため、仮想化ツールボックスには新たなツールが追加されることになるだろう。そして、この追加のツールは、多くの従来のVMと上手く連動することが予想される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
仮想化環境の移行は、チームがどれだけ高いスキルを有していても困難を伴う。「今の環境と同じ機能を利用できるか」などのチェック事項も多い。そこで、ベンダーロックインを伴わずに、優れた仮想化テクノロジーへ移行する方法を紹介する。
IT業界では「仮想化」にまつわる混乱が続いており、企業は現状の仮想化環境の再考を迫られている。そこで、仮想化環境の移行先として、また、加速するビジネス環境に対応したプラットフォームとしても適した解決策を紹介する。
BroadcomによるVMwareの買収により、VMware製品のライセンス体系は大きく刷新された。永続ライセンスの廃止やエディションでの提供といった変更がある中で、自社はどのように仮想基盤を見直していけばよいのか。そのヒントを紹介する。
IT環境の多様化・複雑化に、VMware買収の話が加わって、組織のIT担当者の悩みは増える一方だ。このような状況において、管理運用の簡素化とリスクの軽減をどのように実現すればよいだろうか。
BroadcomはVMware買収後、製品ポートフォリオやライセンス体系に大きな変更を加えた。ユーザー企業はこの変化にどのように対処し、今後のIT戦略、仮想化戦略を検討、構築していけばよいか。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...