「Xcode」の使い方からAppStoreでの配布まで
ざっくり分かる「社内向けiOSアプリ」開発ガイド
iOSデバイス向けにアプリケーションを開発するのは簡単ではない。各種の手順を踏まなければならず、アプリケーションを配布する方法もさまざまだ。
AppleのiOSデバイス向けにアプリケーションを開発するためには、さまざまな手順を踏む必要がある。
まず開発者はiOS用の統合開発環境「Xcode」を学ばなければならない。次に、有効期限や更新ルールがそれぞれ異なる証明書やライセンス、プロファイルを適切に設定し、管理しなければならない。さらにその上で、アプリケーションをユーザーに配布するための最善の選択肢を検討する必要がある。
iOSアプリケーションを発行する手順や配布方法の選択肢などについて、あらためて確認しておこう。
Xcodeの使い方
XcodeはMacで動作し、OS X、Apple Watch、Web、iOS向けアプリケーションの開発に必要な要素を全て備えている。Xcodeでは2014年以降、学習や移行が難しいプログラミング言語「Objective-C」ではなくAppleの新しいプログラミング言語「Swift」を使えるようになった。AppleはiOS 9のリリース時にSwiftの新版「Swift 2.0」を発表した。開発者はGitリポジトリにコードを置いて他のグループと共有し、共同で開発作業を進められる。
XcodeはMVC(モデル・ビュー・コントローラ)モデルを採用しており、ツールを使えば、各アプリケーションのコードを容易に管理できる。例えば「Interface Builder」を使えば、各種のビジュアルコントロールをアプリケーションコードにドラッグ&ドロップできる。「AutoLayout」を使えば、画面サイズに合わせてアプリケーションのレイアウトを調整することが可能だ。「Storyboard」を使えば、アプリケーションの画面遷移をグラフィカルに作成でき、「Preview Mode」では、さまざまなデバイスでのアプリケーションの見え方を確認できる。
Xcodeは無料で使えるが、アプリケーションをiTunesやMac App Storeに登録したい場合は、年間99ドルの開発者ライセンスが必要となる。
アプリケーションの発行手順
Xcodeの使い方を理解していても、社内向けのiOSアプリケーションを発行するのは簡単な作業ではない。まず、年間299ドルの企業向け開発者プログラム「Apple Developer Enterprise Program」に参加する必要がある。このプログラムに登録した企業の開発者はそれぞれプロビジョニングプロファイルを入手する。このプロファイルを使えば、iOSアプリケーションにエンタープライズ証明書で署名し、どのデバイスでアプリケーションを実行するかを選択できる。プロビジョニングプロファイルは1年で期限が切れるので、開発者は毎年新しい証明書でアプリケーションを再発行する必要がある。
アプリ公開手順はこれで終わりではない。開発者はさらにプロビジョニングポータルの「Certificates, Identifiers & Profiles(証明書、ID、プロファイル)」に証明書署名要求(CSR)を送信する必要がある。証明書署名要求が認められると、開発者はデバイス数の制限なしでアプリケーションに署名できる。この証明書は3年で期限切れとなる。
アプリケーションの配布方法
証明書関連の手順をクリアしたら、AppleのApp Storeを介してiOSアプリケーションを配布できる。企業向けのボリュームライセンスプログラム「Volume Purchasing Program(VPP)」を使えば、Apple IDを登録しなくてもデバイスにアプリケーションを配布することが可能だ。
App Storeを使う以外の選択肢もある。OTA(Over The Air)配布の方法を用いれば、WebサーバからiOSアプリケーションを配布できる。この際、デバイスを「iOS構成ユーティリティ」に接続する必要はない。ユーザーはURLをクリックするだけでアプリケーションをダウンロードできる。IT部門は暗号化でアプリケーションを保護し、承認されたユーザーだけがアクセスできるようにすることが可能だ。
アプリケーションはiTunes経由でも配布できる。ただしこの方法が有効なのは、ユーザーがiOSデバイスをiTunesソフトウェアが動作しているPCかMacに接続する場合のみだ。PCかMacへの接続を必要とする方法にはもう1つ、iOS端末管理ツール「Apple Configurator」を使ったやり方もある。Apple Configuratorは1度に30台ほどのデバイスを一括設定するときに使うと特に便利だ。
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