Amazon EC2やAzureでは解決しない「プロビジョニングできない処理」スタートアップ企業のクラウド事例

事前に必要なコンピューティングリソースが分からない。そんな要件に悩んでいたあるスタートアップ企業。Amazon EC2やAzureでも解決しなかった課題をどうやってクリアしたのか?

2016年04月11日 08時00分 公開
[Caroline DonnellyComputer Weekly]
Computer Weekly

 企業Webサイトの監査サービス「seopler.com」を提供しているExpert Digital Marketingは、新興企業がクラウドでビジネスを行う際に直面する、請求とサポートにまつわる課題をどのように解決したのか。

Computer Weekly日本語版 4月6日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 4月6日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 ダブリンを拠点とする同社のサービスは、Nissan Irelandなどの企業に利用されている。同サービスは、Webサイトクロールソフトウェア(クローラー)を使って、機能しないリンク、サイトリダイレクト、無効なHTMLマークアップなど、検索エンジンのランク付けに悪影響を及ぼす恐れのある要素を見つけ出す。サイトのクロールが完了すると、検索エンジン最適化(SEO)を改善するために取るべき措置についてのアドバイスを記載したPDFを生成してユーザーに送信する。

 クロールに必要なコンピューティングリソースは、対象Webサイトのサイズとページ数によって変わる。同社がクローラーをクラウドで運用することに決めた理由の1つはここにある。

 顧客から依頼を受けた際、対象Webサイトの規模を事前に詳しく知らされることはほとんどない。これが、クロールに必要な処理能力の把握を困難にしている。

 「クロールするWebサイトの規模が大きくなるほど、多くのデータを収集することになる。当社はデータベースエンジンの『SQLite』をインメモリに保持して、Webサイトのデータ収集を高速化している」とExpert Digital MarketingのCEO、グラハム・オシェイ氏はComputer Weeklyのインタビューに答えた。

 このプロセスは、時間が最も重要な要素になる。クロールを長時間行えば、監査中のWebサイトに影響が生じる可能性が高くなる。

 2015年に同社を設立するまで、オシェイ氏はクローラーの実行に適切したIaaSプラットフォームの調査を続けた。最初に選択したのは「Amazon Elastic Compute Cloud」(EC2)だった。

想定外の問題

 だが、クローラーが実行する作業の規模を予測できないことで、コストとリソースプロビジョニングに予想外の問題が発生した。

 「Amazon EC2で問題になったのは、クロールを行う前にコストとリソースを指定しなくてはならないことだ。100万ページもあるWebサイトでは、8GBのメモリと50G~60GBのHDDを搭載したEC2仮想マシンを事前に確保する必要がある」と同氏は語る。

 「最初は非常に安上がりだと思ったが、届いた請求書を見ると、長期間使用を続けると追加料金が必要になることが分かった」

 「また、顧客のWebサイトのことが分かっているわけではない。顧客と契約する時点では、サイトの実際の規模は把握できない。顧客ごとにサイトの規模を調べていたのではコストが非常に高くなる。『Microsoft Azure』でも試してみたが同じことだった」

 同社がこうした課題に取り組んでいるとき、「Web Summit Conference」(2015年11月3日にダブリンで開催されたイベント)でソフトウェアのデモを行うという新たなプレッシャーが持ち上がった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

鬮ォ�エ�ス�ス�ス�ス�ス�ー鬯ィ�セ�ス�ケ�ス縺、ツ€鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス

事例 ファインディ株式会社

アジャイル開発成功事例集:セゾンテクノロジー/ダイキン工業/朝日新聞

アジャイル開発を推進する上で欠かせないのが、開発プロセスやレビュープロセス、パフォーマンスなどを可視化することだ。セゾンテクノロジーやダイキン工業、朝日新聞といった3社の事例を基に、それらを実現する方法を探る。

市場調査・トレンド フリー株式会社

「情シスのSaaS利用実態」調査レポート

SaaSを導入する企業が急速に増えている。経営者と情報システム担当者1019人を対象にした調査によると、約9割の企業が2年前よりもSaaSの利用を増やしたという。このような中で、新たな課題も顕在化している。その内容を見ていこう。

製品資料 Notion Labs Japan合同会社

情報の安全な活用と共有に、AI+統合ワークスペースが果たす役割とは

「ビジネス+学び」をテーマにした映像コンテンツ制作、配信を事業の中核とするPIVOT。同社では情報基盤として活用してきたツールのセキュリティ強化とともに、AI機能の導入によって、業務の質と速度の向上を実現した。

製品資料 発注ナビ株式会社

SaaS導入の失敗を回避、適切な選定を支援するマッチングサービスとは?

ある調査によると、67.4%の企業が「SaaS製品の導入に失敗した経験がある」と回答しているという。そんな中、適切な選定・導入を支援するマッチングサービスが注目を集めている。本資料では、サービスの特徴や運用の流れを紹介する。

技術文書・技術解説 Datadog Japan合同会社

AWS、GCP、Azureなどクラウドネイティブ環境における5つのセキュリティ強化策

Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azureなどクラウドネイティブ環境のセキュリティを強化するには何をすればよいのか。ログの収集や分析を高度化するためのベストプラクティスを解説する。

アイティメディアからのお知らせ

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

Amazon EC2やAzureでは解決しない「プロビジョニングできない処理」:スタートアップ企業のクラウド事例 - TechTargetジャパン クラウド 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ゥ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ュ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ー

2025/06/15 UPDATE

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...