マイクロサービスがITカンファレンスで注目されている。これはコンテナやソフトウェアの移植性というアイデアとも関係が深い。その仕組みと、注目すべき理由について解説する。
マイクロサービスの概念は、実際のところ新しいものではない。進化したのは実装方法だ。従来のようなモノリシック型のアプリケーションを多数の小さなソフトウェアに分割し、連係して同じ機能を提供するというのがそのアイデアだ。
「マイクロサービスは、あらゆる標準を伴っていたSOAに比べてはるかに軽量だ」。DevOpsコンサルタントSendachiの共同創業者ベン・ウートン氏はそう語る。
SOAは、複雑なエンタープライズサービスバスに重点を置いたサプライヤー主導の現象で、全てのサービス間で通信する必要があるミドルウェアの1種だった。
企業がマイクロサービスに関心を示しているのは、スピードとアジリティをもたらすことができ、比較的小さな機能を取り込めるためだとウートン氏は言う。好例として通貨換算サービスや電子商取引のショッピングカートが挙げられる。
対応すべきコードベースが小さくなるため、そうしたサービスの開発ペースを速めることができ、変更もしやすい。コードが何百万行にも及ぶ従来のモノリシック型アプリケーションはそのような設計にはなっていない。そうした巨大コードの変更にはあらゆる依存関係が絡むので、テストにも膨大な経費が掛かる。
もう1つの利点として拡張性の高さが挙げられる。マイクロサービスは設計上、クラウド環境との親和性が高い。クラウドはアプリケーションが必要とするコンピューティングリソースを自由に増減できる。処理能力を高める必要があれば、別のコンピュータクラスタで別のマイクロサービスを始動すれば済む。
こうした特徴により、マイクロサービスはクラウドネイティブアプリケーションで役に立つ。クラウド環境は多数のコモディティハードウェアリソースで構成され、アプリケーションの需要変動に動的に対応できる。
そうしたインフラは障害からも素早く復旧できる。サーバが停止したら、インフラ内の別のサーバが引き継ぐ。
マイクロサービスでそうした運用を行うためには、ITインフラとの通信方法を変える必要があるとウートン氏は解説する。
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly製品導入ガイド」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
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