「Galaxy」シリーズの多くと互換性を確保
徹底レビュー:安価で手軽に仮想現実世界を体験、Samsung「Gear VR」2016年モデル(1/2 ページ)
Samsung Electronics「Gear VR」の2016年版では「Galaxy」シリーズの多くと互換性が確保された。スマートフォンと接続するだけで本格的な仮想現実(VR)体験ができる新型ヘッドセットの実力に迫る。
Samsung Electronicsは「Galaxy Note7」と合わせて、仮想現実(VR)ヘッドセット「Gear VR」の改良版をリリースした。とはいえ、新しいGear VRに大きな変更はない。もちろん、新たにUSB Type-C端子が用意され、Samsungの最新の主力機種に対応できるようになった。しかし、付属品としてmicroUSBアダプターも用意されているので、Samsungの「Galaxy Note7」「Galaxy S7」「Galaxy S7 Edge」「Galaxy S6」「Galaxy S6 Edge」「Galaxy S6 Edge Plus」「Galaxy Note5」など、「Galaxy」シリーズの多くと互換性が確保されている。
しかし、新型Gear VRは旧型と完全に同じわけではない。快適に使えるよう、デザインには変更が加えられた。また、以前Gear VRのアプリケーションをレビューしたときよりも、Oculusのエコシステムがさらに強力になっている。
新型Gear VRでの仮想現実体験に価値はあるだろうか。本稿ではそれを検証する。
構造とデザイン
一見、新型Gear VRに大きく変わった点はない。仮想現実ヘッドセットらしい見た目は相変わらずだ。初代Gear VRのレビューで表現したように、ごついスキーゴーグルに非常によく似ている。プラスチック仕上げ、クッション性のある裏地、背後の黒い面ファスナー式ストラップといった、全体的なデザインは同じだ。しかし、すっきりとした見た目の黒のプラスチック仕上げになったことで、HTCの「HTC Vive」やOculusの「Oculus Rift」のような、PC用のVRヘッドセットの外見に近づいた。
2組の黒い面ファスナー式ストラップは、素早い調節が可能で、ヘッドレストを気持ちよく装着できる。灰色のフォーム素材を取り入れた裏地は、旧型Gear VRよりも少し分厚くなっており、快適でクッション性のある装着感を実現している。
デバイスの上部には、焦点調節用のダイヤルがある。左側にはホームボタンと戻るボタン、四角い操作タッチパッド、独立型の音量調節ボタンがある。また、ヘッドセットの左下にはUSB Type-C端子が用意されている。Gear VRにはUSB Type-C端子をmicroUSB端子に変換する小さなアダプターも同梱されている。
新しく追加されたホームボタンによって、Oculusアプリケーションを移動するのが少し簡単になった。特に、ゲームパッドを使用していないときにはこのボタンが役立つ。タッチパッドもデザインが変更されている。コントローラー風の凹凸のあるデザインではなく、くぼみの中央に小さな突起があるだけの平面的なデザインのタッチパッドになった。小さな変更だが、旧型よりもタッチパッドのどこに指を置いているのかが分かりやすくなっている。その点でも、Gear VRはユーザーの使い勝手がかなり向上しているといえる。
Gear VRは、ヘッドセット内側にある2つの接眼レンズの横に近接センサーを搭載している。視野角は旧型の96度からたっぷり101度に拡大し、視界がさらに広くなった。
Gear VRの正面には、取り外し可能なプラスチック製の保護プレートがはめ込まれている。Gear VRを使用していないときは、スマートフォンの代わりにこのプレートを取り付けておく。右側のヒンジはスライドしてロックを外すことができる。ヒンジは45度まで開き、保護カバーやスマートフォンを取り外せるようになっている。右側のヒンジを押し込むと、Galaxyスマートフォンを固定する位置に戻る。左側のヒンジもたっぷり45度回転させることができるので、楽々とスマートフォンを付属のコネクタにしっかり固定できる。もちろん、新型Gear VRで最も注目すべき機能は、microUSBコネクタを取り外してUSB Type-Cコネクタに入れ替えられる機能だ。新型Gear VRには両方のアダプターが同梱されており、左側のヒンジのガイドレールを利用して簡単に交換できる。アダプターのロックを解除すれば、ヒンジからスライドして素早く取り外せる。スマートフォンの取り付けもアダプターと同様に、素早く所定の位置にロックされるため、簡単だ。
パフォーマンス
どのGalaxyモデルを使用している場合でも、スマートフォンを取り付けると所定の位置にしっかりとロックされる。旧型Gear VRと同様、新型Gear VRにも素晴らしい没入環境が整っている。視界の上部と左右の黒の裏地は最低限に抑えられているが、Gear VRでは周囲の光は全て遮断される。TechTargetがテストしたところ、Gear VRを強力な照明の真下で使用しても問題は発生しなかった。
しかし、消費者がGoogleの安価な段ボール製ヘッドセット「Google Cardboard」ではなくGear VR を購入する本当の理由は、Google Cardboardにはない追加のセンサーが組み込まれていることにある。残念ながら、旧型Gear VRから新型Gear VRでセンサーのアップグレードは行われていない。恐らく、うまく機能しているのであれば、それを変える必要はないという信念に従ったのではないかと思われる。センサーはヘッドトラッキング機能が付いており、非常にスムーズに反応する。トラッキングは比較的滑らかで、簡単に360度眺めることができる。Oculus RiftやHTC Viveのトラッキング技術に比べればそれほど技術的に驚嘆する点はないが、頭を動かしているときにその動きを妨げることのない十分な技術が使われている。公正を期すために補足すると、Oculus RiftやHTC Viveはいずれも何十万円もする処理能力の高いゲーム用PCが必要となるが、Gear VRは普段使っているスマートフォンにワイヤレスで接続できる。それを考えると、Gear VRのパフォーマンスは非常に素晴らしいといえる。
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