Windows 10も“救世主”に
Windows 7の「2020年問題」とは? PCが再び売れ出す必然の理由
PC市場の減速は明らかだが、2-in-1デバイスや「Windows 10」、特殊仕様を求めるニッチ市場などが新たな商機を生み出し、企業によるPCの購入は続いている。生き残り戦略の鍵とは。
法人市場では新規PCの需要が縮小し続けている。だが、ハードウェアとOSの進化が今後もIT部門の関心を維持することになりそうだ。
ベンダーはバッテリー持続時間の向上やプロセッサの高速化、メモリの増量、ディスプレイの改良、筐体の軽量化と薄型化などを通じて、PCの改良を続けている。今では、モバイルワーカーの多い企業を意識し、タッチスクリーンディスプレイや2-in-1のフォームファクタを採用しているPCも多い。今後は「Windows 10」を活用できるこうしたPCも、販売台数を押し上げる要因の1つとなりそうだ。ただし調査会社Gartnerによれば、世界のPCのインストールベースは2015年の14億9000万台から2019年には13億3000万台にまで減少する見通しだという。
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用途別のすみ分けが進むクライアントPC
「Windows 10」と「Continuum」
「スマートフォンとタブレットが市場を侵食している。だが企業ユーザーのメインデバイスとしては、デスクトップPCやノートPCが必要だ。PCは姿を消すわけではない」とGartnerの主任アナリストである北川 美佳子氏は指摘する。
市場はコモディティー化
北川氏によれば、PC市場が減速する中、小規模ベンダーが事業規模を縮小する一方で、大規模ベンダーはその規模を一層拡大している。ベンダーはPC需要の減少に対応するために価格を下げざるを得ず、その結果、利益率は下がり、販売台数は縮小した。こうした苦境を乗り越えるのは、大手よりも中小の方が難しい。現に、市場自体が縮小する中で、Lenovo、Dell、HP、Appleの大手4社は市場シェアを拡大している。
「市場はコモディティー化が進んでいる。大量に売らなければ生き残れない。非常に厳しい状況だ」と北川氏は語る。
近年は、企業のモバイルユーザーのニーズに合わせてハードウェアとソフトウェアを進化させることが、PC市場で生き残る方法の1つとなっている。Microsoftの「Surface」シリーズは2012年のリリース以来、最も人気の高い2-in-1デバイスとなっている。同社が提供する「Continuum」は、モバイルデバイスとPCでほぼ同等のユーザーインタフェースを使えるようにするための機能だ。
ニッチ市場に居場所を見いだしているPCベンダーもある。例えばパナソニックは、厳しい環境に耐え得る頑丈なデバイスを必要とする軍事や建設といった業種向けに、耐久性に優れたノートPCや2-in-1デバイスを提供し、高い評価を得ている。
市場が減速しているとはいえ、多くの仕事をこなすためにはやはり、スマートフォンやタブレットの小さな画面や低い処理能力よりもPCの方が向いている。建設会社Carlisle Construction Materialsでは、現場作業員は「iPad」を使ってアプリケーションにデータを入力したり、メールを確認したりしているが、もっと複雑な作業にはPCを使用するという。
「Microsoft Officeアプリケーションで基本的な仕事をこなすだけなら、モバイルデバイスで十分だ。だが、本格的な作業に使うのは厳しい。企業にはまだPCの市場が存在している」と同社のクラウドソリューションアーキテクト、ジェフ・ヤノビッチ氏は語る。
Windows 10が救世主に
企業は通常、3~5年ごとにPCを買い替える。だがこのライフサイクルは絶対的なものではない。そのため、場合によっては、企業はWindows 10への移行に合わせて早めに現行のPCを処分することになるかもしれないと、DellとLenovoのパートナーであるFive Nines IT Solutionsの社長兼CEO、ダグ・グロスフィールド氏は指摘する。
例えば、2008年から使っているノートPCでWindows 10を実行しようとして、システム要件を満たしていないことに気付くユーザーもいるかもしれない。Windows 10は最新のPCで使うのが理想的だ。
「企業には今後、ハードウェアを早めに買い替えるプレッシャーがかかるだろう。OSの進化は、ハードウェアの側にも、これまでより少し高度な技術を要求するからだ」とグロスフィールド氏は語る。
さらに2020年1月14日には、「Windows 7」の延長サポートが終了する。つまり、企業にとっては、向こう4年間でWindows 10に移行する動機が増えるということだ。
「Windows 7のサポート終了に伴い、PCの販売台数は急増するだろう」とグロスフィールド氏は予想する。
今や米国の全労働人口の過半数を占めるミレニアル世代(訳注:2000年以降に成人になる世代のこと)は、企業が最新のテクノロジーを導入していることを期待する。「ミレニアル世代は古いPCを使う職場に不満を感じるだろう」と調査会社Moor Insights and Strategyの社長兼主任アナリスト、パトリック・ムーアヘッド氏は指摘する。
ビジネスパーソンが勤務先を選ぶときに、「どのようなツールや機器が提供されるか」を今ほど重視する時代はこれまでなかった。「使用しているところを見られても恥ずかしくないのは、薄型PCだ。型落ちした古いPCではない。ワイヤレス接続とディスプレイも重要だ。ミレニアル世代には、仕事とプライベートを分けずに融合しようとする傾向がある」と同氏は語る。
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