「UEM」で仮想デスクトップ密度の70%向上も
デスクトップ仮想化の厄介な“リソース過剰割り当て問題”をなくす方法とは?
VMwareやCitrix Systemsなどによる「ユーザー環境管理」(UEM)ベンダーの買収は、デスクトップ仮想化の課題解消に向けた大きな一歩となる可能性がある。
デスクトップ仮想化のユーザーエクスペリエンス(UX:顧客経験価値)とROI(投資対効果)の重要性が増すにつれて、「ユーザー環境管理」(UEM)が重要な役割を担うようになるだろう。このトレンドを認識するVMware、LANDESK Software、Citrix Systemsは、2015年中ごろから市場でUEMベンダーの買収を進めてきた。
UEMがもたらす最大のメリットの中には、UXと関係しているものがある。UEMは仮想デスクトップのリソース消費を抑えることで、パフォーマンスを最適化する。IT管理者はUEMによって、エンドユーザーのクライアントPC構成を他のクライアントPCやOSに持ち越すことができる。
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IT調査会社IDCでリサーチアナリストを務めるロバート・ユング氏は、次のように説明する。「VMwareなどUEMに注目するベンダーの態度からは、UXの向上を重視していることが見て取れる」
UEMによって、エンドユーザーの仮想デスクトップのプロファイルもIT部門が制御できるようになる。例えばプリンタの構成や特定のアプリケーションのインストール、特定のWebサイトの閲覧時のアクセス許可などが制御の対象となる。
CitrixによるNorskaleの買収がもたらすリソースの賢い割り当て
2016年9月にUEMベンダーのNorskaleを買収したCitrixは、Norskaleの技術をデスクトップ仮想化製品「XenDesktop」やアプリケーション仮想化製品「XenApp」に導入する計画だ。Norskaleの技術は、リソース使用量の最適化によってログイン時間を短縮することを目指す。具体的にはエンドユーザーの振る舞いを分析し、それに応じてデスクトップのRAMやCPUといったリソースの消費を調整することで、リソースの過剰な割り当てを避ける。
IT調査会社Forrester Researchでアナリストを務めるデイビッド・ジョンソン氏は、次のように語る。「この買収は、Citrixによるエンドユーザーコンピューティング(EUC)の主力ビジネスへの投資であり、同社の今の競争力にとって好ましい行為だ。Norskaleの賢明なリソース管理を通じて、エンドユーザーのエクスペリエンスは向上する」
Citrixによれば、リソース割り当ての改善により、サーバにホストする仮想デスクトップの密度を70%高めることができるという。ユング氏は「この投資から、ユーザー企業はより多くの利益が得られるだろう」と予想する。
デスクトップ仮想化やアプリケーション仮想化といったクライアント仮想化製品の導入企業は、クライアントPCのコストは抑えられるものの、「より多くのストレージとサーバを購入しなければならなくなり、支払いが高額になることがよくある」とユング氏は説明する。密度を70%向上できるというデータが事実であれば「それは大きなことであり、保有コストの抑制につながる」(同氏)という。
「Norskaleの買収によって、IT部門にとってXenDesktopの魅力も増すだろう」と考えるのは、米国ニューヨーク州イサカに本拠地を置き、荷台と梱包(こんぽう)を管理するOngweowehでIT部門ディレクターを務めるジム・デイビス氏だ。Ongweowehは過去に仮想デスクトップインフラ(VDI)の導入を検討したものの、追加費用が理由でVDIの導入は実行に移さなかった。同社は社員80人の中小企業だ。中小企業ではこのような話をよく聞く。
「大企業にとってスケーラビリティは非常に魅力的なものであり、UEMの導入を考えるインセンティブになる。手持ちのリソースから多くを引き出せるようになることで、コストが確実に抑えられるからだ」とデイビス氏は語る。だが「中小企業が考えを変えることはないだろう」と同氏は言い切る。
Citrixは、Norskaleの同名製品の名称を「Workspace Environment Manager」に変更する予定だ。
発展するUEM市場
VMwareは、オランダのアムステルダムに本拠地を置くUEMベンダーのImmidioを2015年に買収した。2016年3月にはLANDESKが、米国カリフォルニア州サニーベールに本拠地を置く仮想化/UEMベンダーのAppSenseを買収している。
米国ジョージア州アルファレッタに本拠地を置くUEMベンダー、Liquidware Labsの共同設立者でアライアンス部門のディレクターを務めるテイラー・ローラー氏は、一連の買収について「UEMテクノロジーの利便性の証だ」と主張する。
ローラー氏は次のように語る。「この動きによって、UEMテクノロジーの正当性が実証されている。UEMテクノロジーのおかげで、以前は手動だった作業が自動化できるようになる」
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