ルーターやロードバランサーなどのネットワーク機器を仮想化し、通常のサーバ上で実行するネットワーク機能仮想化が注目されている。
ネットワークの柔軟性をさらに高めるために、大手通信サービスプロバイダーが「ネットワーク機能仮想化」(NFV:Network Function Virtualization)サービスを開発している。2016年7月にはAT&TとVerizon CommunicationsがオンデマンドNFVサービスをリリースした。
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調査会社IDCによれば、デジタル化で成功を収めるためにネットワークが欠かせない。Verizonの後援によるIDCのホワイトペーパー「Digital transformation obstacles and how to overcome them」(デジタル化を阻む課題とその解決策)では、デジタル化によって2016年だけでも接続レベルが全業界で最大50%上昇するとアナリストが予測している。
このホワイトペーパーでは「本調査で明らかになったのは、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)やネットワーク機能仮想化(NFV)など、最新世代のネットワークアップグレードへの広範な投資計画だ。この結果は励みになるものだ」と述べられている。
IDCのジョン・ジャクソン氏は次のように記している。「デジタル化でリーダーシップを取るためには、ソフトウェア主導の高度なデータオーケストレーションが必要だ。また、ネットワーク間のルーティングを最適化して、オーケストレーションにポリシーとSLAを適用しなければならない。複数のクラウドプラットフォームは、企業環境を一元化するために、オンプレミスとコロケーションサービスに統合する必要がある」
「ネットワークセキュリティとコンピューティングのリソースは、セルフサービスポータルを通じてほぼリアルタイムにプロビジョニングしなければならない。そしてリソースは動的に、または定義済みのビジネスルールに基づいて自動的に再配分される必要がある。しかもこれらに加えて、史上類を見ないほど複雑さが増す中でも自信が持てるようなパフォーマンスとセキュリティも必要だ」
通信事業者はITを取り巻く状況の変化に適応しようとしている。Verizonの製品部長ピーター・コーニングス氏は次のように語った。「10年前は、従業員全員が事務所で働いているのが普通だった。こうした従業員が使用するのは、社内のデータセンターがホストしているエンタープライズアプリケーションや、会社のファイアウォールによって保護された端末だった。それが今では、従業員は複数の端末を使えるような柔軟性を求めるようになった。また、使用するアプリケーションの中にはパブリッククラウドのものもある」
企業ITを取り巻く状況は変化し続けている。コーニングス氏によると、例えば新しいアプリケーションが必要だとビジネス部門が判断したら、IT部門に無断で購入するという。
「ネットワークの設計方法の多くが静的なままになっている。『ハブ・アンド・スポーク』型アプローチは非常に堅牢(けんろう)だが、静的だ。こうした静的ネットワークは、絶えず変化するアジャイルなビジネスを真にサポートすることはできない」
NFVがあれば、データセンターのハードウェアで実行されるサービス(例えばルーティング、WAN最適化、ファイアウォールなど)をソフトウェアで提供できるようになる。
Verizonの「Virtual Network Services」は、同社が「Network as a Service」(サービスとしてのネットワーク)と表現するものをオープンプラットフォームで提供する。このVerizonのサービスはCisco Systems、Juniper Networks、Palo Alto Networksなどもサポートする。
コーニングス氏によれば、アプリケーションをクラウドに移行すると、ワークロードのルーティング方法が大きく変わるという。
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