「ストレージ」から見る仮想化の今【後編】
「VMware/Hyper-V」と「Docker」では、ストレージの扱い方がどう違うのか(1/2 ページ)
仮想化関連の技術開発においてストレージへの注目度が高まる中、ベンダー各社はどのような取り組みを進めているのか。後編では、外部ストレージやデータ管理、コンテナに関する技術動向を紹介する。
前編「VMware vs. Microsoft“仮想化戦争”の舞台が『内部ストレージ』に移った訳」では、仮想化ベンダーがストレージ関連技術に注目する背景と、特に動きが活発なサーバの内部ストレージ活用に関する製品/技術の動向について解説した。後編は外部ストレージやデータ管理、コンテナに関するベンダー各社の取り組みを紹介する。
外部ストレージ
VMware製品は外部ストレージと相性が良い。それは昔も今も変わらない。同社のハイパーバイザー「VMware ESXi」は、「Fibre Channel」(FC、ファイバーチャネル)や「FCoE」(Fibre Channel over Ethernet)、「iSCSI」「NFS」といったストレージプロトコルが利用できる。
VMwareの外部ストレージ関連技術
幾つかのリリースを経てVMwareは、ストレージのLUN(論理ユニット番号:サーバから1台のディスクとして認識される領域)とVMFS(VMware独自のファイルシステム)データストアのサイズに関するサポート制限の多くを緩和してきた。例えば、現在VMFSデータストアでは、最大62TBのVMDKファイル(仮想ディスク)まで扱うことができる。
I/Oパフォーマンスと機能を向上するために、VMwareは数多くの新機能をAPIの形で導入してきた。ESXiのストレージ向けAPI「VAAI」(vStorage API for Array Integration)は、リソースを集中的に消費するI/Oタスクの一部を外部ストレージにオフロードする。この中には、広範囲の空データまたはバイナリのゼロデータで埋める「ゼロアウト」機能も含む。データの一括コピーはストレージアレイで実行可能で、仮想マシン(VM)のクローン作成にかかる時間を短縮できる。またVAAIの「Atomic Test & Set」(ATS)機能は、VMFSの排他制御処理を実現する。
複数のLUNを持つストレージの課題に対処できる「Virtual Volumes」(VVOL)という機能も存在する。VVOLは、1つのLUNに多くのVMを保持することを可能にする。各VMには、パフォーマンス、回復性、可用性のどれに関連しているかどうかにかかわらず、同じサービスレベルを適用する。
VVOLにより、VMwareは「個別のVMにサービスレベルを適用する」という概念を確立した。VVOLは依然としてLUNを使用しており、VMDKやスナップショット、構成ファイル、スワップファイルといったVMの各要素へのマッピング(割り当て)をしている。一方で実装の詳細はVMwareの管理者に公開していない。
Hewlett Packard Enterpriseの「HPE 3PAR StoreServ」など幾つかの注目すべき例外を除き、ベンダーではVVOLのサポートが遅れている。これはエンジニアリングに関する大きな問題があるからだろう。無数のLUNをサポートするなど、最も手間の掛かる部分の大半は、ストレージアレイベンダー側が担う必要があるからだ。通常、企業のストレージチームはLUNの作成を他のITチームに委任したいと思わないことも、VVOLの導入が進まない一因だと考えられる。
Microsoftの外部ストレージ関連技術
Microsoftは、Windows Serverで利用可能なプロトコルに基づいて、外部ストレージをサポートしている。Windows ServerはNFSをサポートしているが、NFSを利用したファイル共有は、同社のサーバ仮想化技術「Hyper-V」のVMでは使用できない。
Hyper-Vの外部ストレージ用プロトコルとしてSMBを利用すると、スケールアウト可能な共有ストレージ用ファイルサーバとして、Windows Serverベースのサーバを運用できるようになる。これはサードパーティーベンダー製品にも拡張できる。ただし今のところ、このアプローチを採用しているのは、Violin MemoryがMicrosoftと共同開発したオールフラッシュアレイ「Windows Flash Array」をはじめ、ごく一部に限られる。
Windows Serverは「ODX」(オフロードデータ転送)という機能を通じて、レプリケーション機能など一部の処理を外部ストレージへオフロードする機能を実装している。MicrosoftはODXのサポートに関する情報をほとんど提供していないが、Nimble Storage製品やNetApp製品はどちらもODXをサポートする。
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