高度なデータ分析を使って経費詐欺を一掃することはできるだろうか。
交通費や娯楽費(Travel and Entertainment:T&E)の申請は、架空話をでっちあげる腕の見せ所だと考える企業幹部もいるらしい。こうした不正にどう対処するか。
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経費管理ソリューションの普及に伴い、T&E申請の自動化や監視、管理は簡単になり、スピードアップした。同時に詐欺や不正の機会を減らす助けにもなっている。そしてデータ分析ツールとアルゴリズムを利用する機会が増える中、経費管理ソリューションを進化させ、スマート化が進む不正検出機能を取り込むべきだという意見もある。しかし当然ながら、この分野のサプライヤー全てが納得しているわけではない。
クラウドベースの予約・交通費管理サービスを提供するKDSがユーザーを対象に実施した調査では、経費や車の移動距離を水増ししたことがあるという回答は約25%に上った。実態はさらに多いと思われる。副社長のケイト・ロー氏によると、優れた経費管理ツールでこうした不正を防ぐことはできるかもしれないが、それよりも運用による経費節減の方が重要性は大きいという。
「当社の顧客である通信大手多国籍企業は、約10万人が定期的に経費を申請している。この会社が経費管理ソフトウェアを導入する前は、各自が毎月の請求額を記入するのに1時間ほどかけ、会社側がそれを処理するのにさらに1〜2時間かかっていた。つまり、この会社は経費申請の処理だけに、年間約15万日かけていたことになる」。ロー氏はそう説明する。
「そのために会社が負担するコストは経費詐欺よりもずっと大きい。不正検出分析を導入して無駄の大海のほんの一滴を節約できたとしても、どれほど役に立つのか疑問に思う」
ロー氏が言うように、経費管理ツールで既に架空請求の機会を減らすことができている。承認された宿や交通機関の予約システムとの直接的な連携も強まっていて、紙の領収書や手書きの申請書は不要になりつつある。紙の領収書しかない場合、従業員がスマートフォンでその写真を撮れば済む。その内容はOCRソフトウェアで読み取られ、時間や位置情報とともにシステムに送信される。
一部の手書き文字や消えかけた感熱紙のレシートは手作業で読み取って承認を受けなければならないこともあるが、現代のOCR技術は一般的に95%前後の精度を実現する。会社のポリシーでレシートは受け取った直後に写真を撮るよう規定しておけば、「丸めたまま3週間ポケットに入っていた」ために読みにくくなる問題も解消される。
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同ツールでは、経費申請を会社のポリシーやコンプライアンス規定と照らし合わせて自動的にチェックでき、規定から外れた申請や許容限度額を超えた申請については管理職による承認を必要とする。
クラウドベースの経費管理サービスを手掛けるSoftware Europeの最高クライアント責任者、アンソニー・シャーウィン氏は言う。
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