通信事業者はネットワーク機能仮想化を通じてサービスの最適化を行っている。
ネットワーク仮想化(NFV)やソフトウェア定義ネットワーク(SDN)は、仮想化、コモディティ化へと向かう通信事業者の広域ネットワーク(WAN)拡大トレンドの一端を担う。NFVは主に、WANインフラプロバイダー(ここでは通信事業者と呼ぶ)が運営するネットワークサービス最適化に重点を置く。一方、SDNではネットワークを一元的に見るためにコントロール面と転送面の切り離しを目指す。
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通信事業者によるNFVの採用が進んだ要因は、クラウドコンピューティングの普及によるインフラコストの増大とネットワーク利用の変化だった。GoogleやSkypeなどのインターネットコンテンツプロバイダーは、従来の通信サービスよりもはるかに速いペースで新しい音声やビデオサービス、コンテンツをユーザーに提供しており、クラウドサービスの台頭でWANトラフィックの負荷が増大した。通信事業者がこれに追い付かなければダウンする。
NFVはWANプロバイダーの思考を根本的に変化させた。顧客の構内機器からネットワークアクセスに至るまで、サービスエッジを横断し、中核にあるWANを突き抜けて全てのWAN要素に対応する。通信事業者は特定のパフォーマンス指標を満たすためコストを問わず、インフラを進化させるよりも事業価値に照らして投資の優先順位と運用コストの正当性を実証することを迫られる。
結果的に、多くの通信事業者が新サービスと機能の実装を加速させる必要性を認識している。だが専用のハードウェアプラットフォームでそれをやろうとすれば時間がかかり過ぎ、オフィス内のラックスペースも過剰に占領されてエネルギー効率も悪く、コストが過剰に増大する。
この新しい考え方が、プロプライエタリなハードウェアのパフォーマンス機能から、標準化されたハードウェア上のオープンスタンダードソフトウェアへと重点をシフトさせた。影響を受けるハードウェアは広範に及び、ルーター、ファイアウォール、ゲートウェイ、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)、セッションボーダーコントローラー、ネットワークアドレス変換、WANアクセラレータ、サービス品質テストツール、無線ネットワークコントローラーを網羅する。
クラウド自動化やSDNのプログラマブル性と併せ、NFVではそうしたデバイスの全ての機能を標準の大容量サーバやストレージ、スイッチに移転させ、独立系ソフトウェアサプライヤーのソフトウェアを使うことを目指す。
NFVが浮上したのは、WAN運営者が標準化されたIT仮想化技術の導入を試みたものの、従来のネットワークインフラサプライヤーに直面してもっと一貫性の高いアプローチが必要だと判断したことによる。
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