クラウドファーストの切り札か? 年商2兆円企業もほれ込んだ「iPaaS」の実力アメックスからのスピンオフ企業がiPaaSを導入(1/2 ページ)

American Expressから分離独立したビジネストラベル会社が、クラウドファースト戦略の推進に当たって「iPaaS」を採用した。そのいきさつや選定の背景を探る。

2017年03月16日 15時00分 公開
[Joel ShoreTechTarget]
画像 iPaaSがGBTのクラウドファースト戦略に貢献

 「出掛ける時は忘れずに」は、American Express(アメックス)の有名なキャッチフレーズだ。だが2014年に同社のグローバルビジネストラベル事業部門のスピンオフで生まれた新会社のAmerican Express Global Business Travel(GBT)は、独立時にほぼ全てのITシステムを置いていかざるを得なかった。

 それまでの枠組みから出て、独立企業として新たにITオペレーションを立ち上げるのは容易なことではなかった。GBTは誕生当時、ある意味で珍しい存在だった。GBTは世界120カ国近くで事業を展開し、年間200億ドル(約2兆円)の売上高を誇る巨大企業でありながら、クラウドを前提としてシステム構築を進める「クラウドファースト」戦略を採用したスタートアップだったからだ。

 クラウドファースト戦略は、既存システムをクラウドへ移行する一般的なアプローチとは異なる。実現に一役買ったのが、Dell Boomiの大規模エンタープライズiPaaS(integration Platform as a Service:サービスとしての統合プラットフォーム)の導入だ。iPaaSは、クラウドやオンプレミスを問わず、複数システム間の連係に必要な機能を備えたPaaSのことを指す。

システム整備の猶予機関は数カ月

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