TechTargetの調査「IT Priorities Survey」で、SD-WANや仮想化に重点を置くネットワークエンジニアが増えていることが分かった。だがレガシー技術に関する問題も解決すべき課題の上位を占めている。
セキュリティやネットワーク管理といった基本的な課題と、ネットワーク仮想化のような先を見越したプロジェクトが入り交じったネットワーク計画があちこちで立ち上がっている。これにより、ネットワークエンジニアがこれからの1年間で取り組む“レガシー技術と新興技術の混在状態”はますます加速するだろう。
TechTargetは北米における幅広い業界のITプロフェッショナル971人を対象に、9回目の年次調査「TechTarget IT Priorities Survey」を実施し、企業のネットワーク担当者が2017年に予定している計画について尋ねた。中でも組織のネットワークを中心に担当する職種の192人の回答にスポットを当てている。
ネットワークを担当する回答者は、全般的なIT管理、サーバ管理、データセンター業務、セキュリティといった関連分野にも携わる。調査では次のような質問をした。
ネットワークエンジニアは、既存のネットワークのアップグレードを2017年の全般の筆頭目標に挙げ、約半数(49%)が新しいソフトウェアとシステムに投資すると回答した。
一方で業務の改善も望んでいる。29%はIT自動化を導入して、ネットワークの設定、プロビジョニング、管理の効率化を図りたいと回答している。約25%は、オンプレミスネットワークとクラウドベースプロバイダーのネットワークをつなぎ合わせるハイブリッドコンピューティングのために、ネットワークの設計変更を優先課題に掲げた。
ネットワークに絞ったプロジェクトに限ると、2017年のネットワークは仮想プライベートネットワークの管理と、ドメイン名システム(DNS)およびDynamic Host Configuration Protocol(DHCP)の管理・モニタが筆頭を占め、それぞれ回答者の36%が優先課題に挙げた(図1)。
こうしたレガシー技術に続いて、ネットワーク仮想化が33%とわずかな差で迫っている。今回の調査では、ネットワーク仮想化という用語は、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)やネットワーク機能仮想化、仮想ネットワーク機能といった非レガシー用語に絞った展開ではなく、幅広い技術のカテゴリを網羅した。そうしたソフトウェア定義技術は、成熟度と安定度が増すに伴い、ネットワークエンジニアの注目度も高まっている。
回答者の約20%の関心を集めたそれぞれのオプションは、やはり新旧の技術が混在していて、モノのインターネット(IoT)インフラ、汎用(はんよう)SDNプロジェクト、リモートアクセスとブランチオフィスの接続、比較的新しいカテゴリのインターネットパフォーマンス管理、WAN最適化といったプロジェクトが網羅されていた。
モバイルネットワークモニタおよび最適化、ソフトウェア定義WAN(SD-WAN)の両方に関心があるという回答はほぼ5分の1に上る。SD-WANに関心を持つ回答者の数は、他の普及予測とも一致しており、こうした新技術にしては高い傾向にある。SD-WANと既存のWAN最適化技術を組み合わせるという組織も多かった。
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