TechTargetの調査「IT Priorities Survey」で、データセンターはアップグレードとインフラの改善に取り組み、新たに出現したテクノロジーを取り入れるようになることが明らかになった。
IT部門は現在データセンターが直面している課題に対処する構えを見せているが、データセンターの稼働状態を維持するためのあまり魅力的ではないタスクをないがしろにしているわけではない。TechTargetが実施した2017年の年次調査「IT Priorities Survey」(IT優先度調査)では、モノのインターネット(IoT)、ITの自動化、ビッグデータ分析、ソフトウェア定義インフラストラクチャ(SDI)などの新しいテクノロジーとアプリケーションに焦点が移っていることが明らかになった。その度合いは、小さい場合もあれば、大きい場合もある。
9回目となる今回の調査では、971人のITプロフェッショナルに、勤務先が2017年に実施を予定しているアプリケーション、インフラ、環境に関する主な戦略について尋ねた。なお、回答者は、北米に拠点を置くさまざまな業界で働くIT担当者だ。
本調査では、回答者の幅広い分野への興味と専門性が明らかになった。日々の業務で最も時間を割く作業では、一般的なIT管理(27%)、セキュリティ(23%)およびネットワーク(22%)が回答の上位を占めた。だが、それ以降には、アプリケーション開発(19%)から現在関心が高まっているDevOps(8%)に至るまで、さまざまな作業が続いている(図1)。
これらの数値は2016年の調査結果からほとんど変化しておらず、以前から変化の遅いIT業界を反映しているのだろう。ただし、調査結果の数値を企業の規模ごとに見ていくと、違いが見え始めた。とはいうものの、企業の規模に関係なく、どの規模の企業の回答者もセキュリティを上位3位以内に挙げている。これは、グローバルコミュニケーションが非常に危険な性質を持つことを反映した結果である。
IT担当者が現在どこに時間と労力を注いでいるかに関係なく、ほとんどのIT部門では、新しいテクノロジーと日常的な実務を組み合わせた2017年の新しい戦略プランを打ち出している。ITプロセスの自動化が2017年に実行すべきITの最優先事項であると調査回答者の37%が答えている。その次に挙げられたのが、終わりの見えないネットワークのアップグレード(31%)とコンプライアンスに関する取り組み(31%)だ。こうしたどちらかといえば日常的な取り組みに続いて、より刺激的な課題を提示し得る「ビッグデータ分析」(30%)および「オンプレミスのインフラとクラウドサービスを組み合わせたハイブリッドIT」(27%)という2つの流行している課題が挙げられた(図2)。
上位4つまたは5つの優先事項は同等の注目を集めているようだが、企業の規模ごとにデータを見てみると、大きな違いが明らかになった。従業員が1万人以上の大企業に勤める回答者は、2017年の戦略としてまずビッグデータ分析とITの自動化を挙げている(どちらも44%の回答者が選択している)。従業員数が1000人から1万人の中堅企業もITの自動化に注力しているが、コンプライアンスにも同様に重点が置かれている(どちらも39%の回答者が選択している)。一方、従業員数が1000人以下の企業における最優先事項は、ネットワークのアップグレードという結果になっている。
規模の大小を問わず多くの企業で存在感が高まっているIoTに関しては、驚きの事実が明らかになった。IoTに関する質問の内容は、利用可能なIoTプラットフォームの中でどれを選択するかというものだ。恐らく最も目を疑うような結果は、現在どのIoTプラットフォームも使用していないと答えた回答者がたった11%ということだろう。IoTは、幅広い範囲のアプリケーション、テクノロジー、プロセスで普及しているため、企業のデータセンターで普遍的な存在になりつつあるようだ。
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