船の燃費はトン当たりだから効果絶大
IoTが燃料費で苦しむ海運業界を救う(1/2 ページ)
1908年、T型フォードの組み立てラインの登場で交通産業の新時代が幕を開け、そのすぐ後に発明ブームが起こった。それから100年、モノのインターネット(IoT)の導入によって、さらに新しい交通産業の時代が始まろうとしている。
IoT開発の急速な進歩に大きく寄与しているのが自動車産業だ。コネクテッドカーの実用化が進み、IoTは主流市場に成長した。Gartnerは、ネットワーク接続デバイスを搭載する車両の生産台数は2020年に6100万台まで増加すると予測している。だが、IoTを活用している輸送機器は自動車だけではない。
鉄道、船舶、自転車でもIoTを導入して交通産業の新時代が始まりつつある。IoTは個人利用や相乗り、公共交通機関の安全性と効率性を高め、運行コストを削減し、移動をより快適にしている。
船舶のIoT活用
歴史ある輸送手段である船舶にもIoTの活用は急速に進んでおり、船上のさまざまな問題を解決する先進的なIoTサービスを実用化している。情報を素早く収集できるIoTシステムは、船舶の状況を把握して安全と効率を高めるのに役立つ。
電子海図を活用する航法システムを開発しているNavicoは、「GoFree」シリーズという船舶用システムスイートにIoTを導入した。これによって船舶の位置情報や機関情報などのデータをリアルタイムに提供し、安全で効率的な航行を支援する。舶用設置型のコネクテッドハードウェア「GoFree Track」は、エンジン稼働時間、バッテリーの状態、油圧、冷却水温度、燃料残量などの情報をリアルタイムで監視する。これらのデータはIoTで「GoFree Vessel」というオンラインモジュールに送信して保存する。保存したデータはいつでも表示できる。
このシステムでは情報の収集と提供の両方を行うので、何か異常があればすぐに警告できる。保存したデータを使って燃料消費や航跡の分析もでき、エネルギー効率とコスト効率のいい航路の選択に役立つ。
環境にやさしい自転車シェアリング
ライドシェアは経済的で環境保護にもつながり、公共交通機関に代わる交通手段となる。ライドシェアを提供するUberやLyftは、渋滞緩和に役立ち、駐車場の確保や車両維持管理の負担をなくすモデルとしてこれを推進している。自動車ばかりでなく、スマート自転車を利用した自転車シェアリングも登場した。自動車のライドシェアと同じく経済的で環境にやさしく、しかも自動車より健康的だ。
中国を拠点とする自転車シェアリングサービス会社のMobikeは、コネクテッド自転車を使ったサービスを中国だけでなくシンガポールやイギリスでも開始した。専用のスマートフォンアプリで近くのMobikeステーションを探し、IoT対応GPSデバイスで目的地までのナビゲーションを利用できる。目的地に着いたら近くのMobikeステーションに自転車を返却し、アプリを使って施錠する。
コネクテッド自転車は利用者と地域の両方にメリットがある。利用者は盗難や自転車の維持管理の心配がなくなり、地域にとっては渋滞や大気汚染、駐車場問題の緩和に役立つ。こうした都市部の移動手段におけるIoT導入は、公共交通機関全般のスマート化やスマート都市開発への動きを反映するものだ。交通手段など公共設備をコネクテッド製品やIoT技術でスマート化しようとする流れは、よりよい日常生活のための必需品としてIoTが幅広く浸透していく傾向を表している。
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