「App-V」を“仮想化以外の目的”で利用
Windowsアプリ配布手段の“正解”は「MSI形式のインストーラー」だけではなかった?
エンドユーザーへのアプリケーション配布をいかに効率化するかは大きな課題だ。無駄な作業を増やさないためには、MSI形式のインストールパッケージだけが正解だと思い込まない方がいい。
IT部門が担当する大きな役割の1つは、MicrosoftのクライアントOS「Windows」向けのアプリケーションを入手し、準備し、従業員に提供することにある。
同じアプリケーションでも部署が異なれば、アプリケーションの配布方法も異なる。MicrosoftのIT資産管理製品「System Center Configuration Manager」を使用してアプリケーションを導入する組織と、デスクトップイメージで直接アプリケーションを導入する組織とでは配布のプロセスが異なる。Microsoftの「App-V」やVMwareの「VMware ThinApp」といったアプリケーション仮想化機能を使う場合も同様だ。
部門ごと、さらにはアプリケーションごとに全く配布プロセスが異なると、IT部門の手間が増え、効率が落ちる。この事態を変えるには、IT部門の中にある「MSI形式はアプリケーションの理想的な提供形式だ」という基本概念を捨て去らなければならない。
アプリケーションのインストールパッケージ用ファイル形式として幅広く使用されているMSIは、Microsoft独自の形式だ。1990年代に設計されたMSIは、それ以来ほとんど進化していない。MSI形式のインストールパッケージの内容を表示するツールは多数あり、その透明性は役に立つ。だがエンドユーザーにアプリケーションを提供する形式としては最適ではない。
IT部門に必要なのは、共通のインストールパッケージで、自社のニーズに合わせてカスタマイズしたアプリケーションを提供できる手段だ。
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「アプリケーション仮想化」について詳しく
アプリケーションベンダーがMSI形式のインストールパッケージを利用する場合、インストーラーの動作をカスタマイズするための限られた手段が「Custom Action」(カスタム動作)という機能だ。このCustom ActionはIT部門に対して、インストーラーがどのように動作するのかを理解しにくくする可能性がある。もし理解できなければ結局のところ、IT部門自身でx86とx64、「Windows 7」と「Windows 10」など、環境別に異なるインストールパッケージを作成しなければならなくなる。
アプリケーションをカスタマイズして共通のインストールパッケージを作成する役割は、1つのチームに任せるのが理想的だ。そしてインストールパッケージをアプリケーション配布の仕組みから独立させ、アプリケーション配布テクノロジーのベンダーは、全て同じ形式のインストールパッケージを利用するのが望ましい。残念ながら、現状はこのような状況にはなっていない。一部のIT部門は、再パッケージ化したMSIファイルを共通形式として共有しようとしているが、ほとんどはうまくいっていない。
IT部門が求めるものに最も近いのが、恐らくMicrosoftのアプリケーション仮想化技術「App-V」の形式だ。アプリケーションを仮想化するためにApp-Vを使うわけではない。App-Vの機能を使用すれば、管理者はアプリケーションを簡単にカスタマイズしたり、さまざまなアプリケーション配布テクノロジーが利用できる形式にパッケージ化したりすることができる。この形式の優れている点は、環境によらず管理者が一度パッケージ化するだけで済むところだ。
業界でアプリケーション配布の問題が解決されるのを待つ間に、IT部門が今すぐやるべきことが幾つかある。アプリケーション導入の種類ごとに、インストールパッケージを何回修正しているか調査することだ。社内のコミュニケーションを増やし、アプリケーションに関するアイデアや情報、さまざまなグループの実際の作業結果を共有するとよい。他にもアプリケーションの配布プロセスを振り返って改良したり、そのプロセスを担当してメンテナンスする役割を誰かに任せたりすることが重要だ。最後に、アプリケーションの共通インストールパッケージモデルについての関心をベンダーに伝え、その実現に向けてベンダーに協力を要請するとよいだろう。
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