米国のプログラミング専門校Flatiron Schoolは、IT分野での活躍を目指す女性技術者に対して学費割引を実施している。男性中心の分野に女性の進出を促すのが狙いだ。
米国で短期集中型プログラミング専門校を運営するFlatiron Schoolは、女性を対象とした奨学金を提供している。ソフトウェアエンジニアリング/Web開発プログラムを受講する女性を増やすためだ。毎月25人の女性を対象として授業料を半額にするとともに、同校のニューヨークキャンパスのクラスに出席する女性全員に1000ドルの割引を提供している。
Flatiron Schoolのクリスティ・リオーダン最高執行責任者(COO)は、この奨学金制度「Women Take Tech」の目的は「IT業界への女性進出を促すことだ」と話す。就職に関する同校の2017年の調査によると、卒業生の就職率は97%で、卒業生の35%は女性だった。
同校の奨学金制度には以下の3つの目標がある。
Flatiron Schoolの学費は、15週間の通学プログラムが1万5000ドル、オンラインコースが月額1500ドルとなっている。同校の女性受講者の多くが30代半ばであり、子どもがいる女性も少なからずいることを考えれば、これは決して安い金額ではない。
「最も重要なのは、このようなプログラムへの参加リスクを取ることが、女性にとって金銭的に可能だと思えるようにすることだ」とリオーダンは話す。2017年1月に奨学金プログラムを開始して以来、Flatiron Schoolのオンラインプログラムを受講する女性の割合は、30%から50%へと急増した。
Flatiron Schoolの奨学金制度は、IT分野で働く女性を増やすことを目指した全米規模の取り組みの一環だ。例えば米国のHarvey Mudd College(ハーベイマッド大学)では、コンピュータの経験に乏しい学生が受講しやすいようにカリキュラムを修正した。米紙Los Angeles Timesの2017年1月の報道によると、同大学ではコンピュータサイエンス専攻の女子学生の割合が5年間で10%から40%に増え、現在では55%に達している。
同じく米国のCarnegie Mellon University(カーネギーメロン大学)も改革を実施し、2016年にはコンピュータサイエンスを専攻する女子学生の割合が50%近くにまで増加した。社会的に孤立した人にも社会参加を促す「インクルーシビティ」(社会的包摂)を巡る取り組みでは厳しい批判にさらされているドナルド・トランプ米大統領は2017年9月末、女性とマイノリティーを対象としたIT教育補助金として2億ドルの支出を命じた。
だが最近の女性にとって、IT業界は居心地の良い場所ではなさそうだ。
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