ブロックチェーン技術の実装に役立つ「Unified Rules Model」(URM)とはまだ成熟していない分散型台帳技術(DLT)(1/2 ページ)

ブロックチェーン技術はガバナンスプロセスの効率を上げるのに役立つ。だが分散型台帳技術(DLT)を最大限に生かすには、幾つかの課題を解決する必要がある。

2018年04月25日 05時00分 公開
[Jeffrey RitterTechTarget]

 数世紀にわたり、商取引の完全性は、その取引に関与した当事者全員がその取引をの記録を作成し、複数のコピーを管理するという原則に基づいて成り立っている。だが複数のコピーを作成することで、情報の競合や対立について複数のリスクが生まれる。同時に、悪意のある行為者が、価値の高い、競争力のあるビジネス上の機密情報にアクセスできる側面が複数浮かび上がる。その結果として、情報セキュリティへの投資の多くが、企業記録の完全性を確保することを最優先に集中して行われることになる。

 ブロックチェーン技術は、ビットコインなどの仮想通貨を進化させているプラットフォームだ。この技術は、重複する冗長な帳簿や記録を、サプライチェーンや取引システムの当事者全員が接続できる単一の分散型台帳に置き換えることで、これまでの仕組みを全く変えてしまう。ブロックチェーンのこの新しい実装は、まとめて分散型台帳技術(DLT)と呼ばれている。DLTは、ID管理、情報ガバナンス、規制順守にまつわる効率性を向上し、コストを削減する大きな可能性を提供する。

 簡単に言えば、DLTを使用することで、既存の暗号化機能を使用して数学的に証明される最高の情報セキュリティ属性を全て備えた単一の記録を作成できる。この単一の記録は取引のライフサイクル全体にわたって信頼可能だ。この記録があれば、コンポーネントやビジネスプロセスを順番に進めることができる。そして、この記録には、取引に付き物の時間的遅延、無駄な検証、複数のネットワーク間での情報統制を管理、監査するコストがかからない。

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