ブロックチェーンは効果的? 「文書改ざん防止システム」の作り方仮想通貨だけでないブロックチェーンの活用法(1/2 ページ)

世間を騒がせている文書改ざんへの対策として、ブロックチェーン技術を活用できる可能性がある。ブロックチェーン技術を活用したさまざまな実証実験や、「文書改ざん防止システム」の作り方を紹介する。

2018年03月29日 05時00分 公開
[荒井亜子TechTargetジャパン]

 森友学園の国有地売却に関する公文書改ざん問題や神戸製鋼における検査偽装といった不祥事が世間を騒がせている。こうした不正行為の対策として「ブロックチェーン技術」(注)を活用できるのではないか――。ブロックチェーン推進協会(BCCC)が2018年3月22日に開催した「第12回金融部会」では、ブロックチェーン技術の活用例や文書偽装防止策について紹介した。

※注:ブロックチェーン技術とは、ネットワークに接続された複数のノードで、取引データの集合体である「ブロック」と、ユニークな値である「ハッシュ値」を分散保持する技術のこと。分散型台帳技術とも呼ばれる。中央集権的な管理者がおらず、ブロックチェーンの参加者同士が監視し合う体制を取る。取引履歴が参加者に公開されることから、情報の改ざんがしにくいといわれている。

北海道でブロックチェーン活用の実証実験

INDETAIL 坪井大輔氏

 「北海道をブロックチェーン技術の集積地とする」ことを目標に掲げ、ブロックチェーン技術に精通したITエンジニアの育成やブロックチェーン技術を活用した実証実験に取り組むINDETAIL。現在、同社には「ブロックチェーンで何かをしたい」といった相談や、実証実験(PoC)への協力依頼が増加傾向にある。代表取締役の坪井大輔氏は本講演で、「ビジネスのアイデアを作るところからお客さんと一緒に取り組むケースが増えている」と話した。

 坪井氏によれば、ブロックチェーン技術の活用の仕方は、プログラムに基づいて契約や取引を自動的に実行する「スマートコントラクト」、価値を定量化するための「トークン」、これらを融合した「スマートコントラクト+トークン」の3パターンに分類できるという。同氏は講演で、この3パターンに基づいて3つのPoCを紹介した。

活用例1「スマートコントラクト+トークン」:調剤薬局でのデッドストック解消サービス

 1つ目は、調剤薬局で販売する薬剤の在庫をブロックチェーン技術で管理するPoCだ。ジェネリック医薬品(後発医薬品)の普及もあり、調剤薬局で扱う薬剤の種類が増え、在庫を抱えた店舗が消費期限を迎えて破棄せざるを得ない状況に陥るケースが珍しくなくなっている。調剤薬局では一般的に、薬剤を箱単位で購入し単品で売る。種類が増すと売れ残りが増え、このことが調剤薬局で経営課題になっているという。坪井氏は「大手チェーンは店舗間で在庫の融通が利くが、個人経営の店舗ではそれが難しい」と述べる。国内には個人経営の調剤薬局が少なくないことも、問題が広がりやすい一因となっている。INDETAILは、この問題をブロックチェーンで解決できないかと考えPoCを開始した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2 次のページへ

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

比較資料 双日テックイノベーション株式会社

プロジェクト管理ツール選定で後悔しない、情シス目線による選定ポイント

プロジェクト管理ツールの乱立を解消するため、一本化を検討するケースが増えている。重要な点は“情シス目線”で選定することだ。そこで8つの主要ツールを比較し、多様な業務に対応しつつ、全社最適も実現できるツールの条件を探った。

事例 双日テックイノベーション株式会社

月間約180時間の作業時間削減、ネクスウェイに学ぶ業務標準化&自動化の進め方

組織のスリム化を目指し、バックヤード業務を1つの部署に集約したものの、チームごとに業務管理の方法が異なるという、新たな課題を抱えることになったネクスウェイ。これを解決すべく、同社が採用したアプローチとは?

製品資料 グーグル・クラウド・ジャパン合同会社

標準のPostgreSQLより4倍以上も高速、高性能&高可用性で注目のデータ基盤とは

リアルタイム性や生成AI対応などデータベースに対する期待が急速に高まっている。そこで従来のPostgreSQLでは対応が難しかったスピードやスケーラビリティの課題を解消したデータ基盤が注目されている。本資料で詳細を解説する。

製品資料 グーグル・クラウド・ジャパン合同会社

生成AIアプリの開発を容易に、オペレーショナルデータベース×RAGのメリット

生成AIを業務に生かすには、回答の正確性やセキュリティなど、多くの課題を解決する必要がある。そこで注目したいのが、オペレーショナルデータベースと、検索拡張生成(RAG)技術を組み合わせるアプローチだ。

製品資料 株式会社ベリサーブ

大規模化するアジャイル開発、3つの課題の解決に向けたアプローチとは

多くの企業でアジャイル開発の手法が取り入れられるようになった一方、欧米企業を中心にアジャイル開発の大規模化が普及している。これに伴い、「テストの工数やコストの増大」「製品全体像の把握の難しさ」といった課題が出てきた。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ブロックチェーンは効果的? 「文書改ざん防止システム」の作り方:仮想通貨だけでないブロックチェーンの活用法(1/2 ページ) - TechTargetジャパン システム開発 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...