コンテナを動的に立ち上げてマイクロサービスとして機能させるには、各コンポーネントが相互にリンクしていなければならない。そのために必要なものとは?
前編(Computer Weekly日本語版 10月17日号掲載)では、Dockerを巡るネットワーク事情について基礎からKubernetesおよびCNIまで解説した。
後編では、前回紹介しきれなかった「VMware NSX」その他のCNIをサポートするツールと、ネットワーク関係でさらに考慮すべき事項について解説する。
CNIをサポートするプラットフォームの一つに「VMware NSX」がある。NSXは、既存の物理イーサネットに複数の仮想ネットワークを作成して管理できるSDNシステムで、基本的には仮想ネットワークトラフィックを転送するためのパケット転送バックプレーンとしてそのインフラを使用する。これらの仮想ネットワークは、それぞれが独自のIPアドレス範囲やその他の特性を保持することができる。
実際のNSXには2つのバージョンがある。一つは「NSX-V」とも呼ばれ、「VMware vSphere」と密接に統合されている。もう一つのバージョン「NSX-T」は「KVM」などの他のハイパーバイザーと連動するように開発されていて、これは「Linux」や「OpenStack」をサポートするために重要になる。
どちらのバージョンも、同じノードで実行されているVMやコンテナ間のトラフィックに直接対処する仮想スイッチとして機能する。対象が別のノードで実行されているVMやコンテナの場合、仮想ネットワークパケットは標準のイーサネットパケットにカプセル化されて、そのノードで実行されている仮想スイッチに送信される。
この他にも同様の機能を備えるプラットフォームがある。Microsoftは「Windows Server 2016」からSDN機能を組み込んでいて、例えば各ノードで実行される「Hyper-Vネットワーク仮想化」や、3つのHyper-V VMのクラスタで実行される一元的な管理サービス「ネットワークコントローラー」がある。
OpenStackは「Neutron」というネットワークサービスにより、ユーザーがネットワーク接続性を設定、定義することを可能にするAPIを提供する。このサービスはNeutronサーバと、サーバノードで実行されるエージェントで構成される。また「Open vSwitch」、Midokuraの「ミドネット」、Juniper Networksの「OpenContrail」、Cisco Systemsの「NX-OS」、NSXなどのネットワークプラットフォームとNeutronが連動できるプラグインも備える。OpenStackはKubernetesの他にも「Magnum」サービスを通じて別のコンテナオーケストレーションツールもサポートする。ただし、NeutronもCNIに準拠している。
セキュリティもコンテナの導入における重要な要素の一つで、さまざまなスケールで実行される場合は特に重要になる。
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