AWSをはじめとするクラウド大手が、自社のデータベースサービスにOSSを採用するようになった。そのことからMongoDBなどのOSSのベンダーは、強力な手段である「ライセンス」を使って資産を守ろうとしている。
クラウドはリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)やNoSQL(RDBMSではないDBMS)といったDBMSにとって、優れた環境であることが実証されてきた。こうしたDBMSがユーザー企業に対してサービスとして提供されるようになり、クラウドベンダーとDBMSベンダーの双方に恩恵を与えている。
ところが最近、こうした状況を脅かす事態が生じている。クラウド向けのオープンソースソフトウェア(OSS)のライセンスを巡って、クラウドベンダーとDBMSベンダーが衝突。結果として、ユーザー企業はライセンスの細部に目を向けることが必要になった。
最も大きな衝突の中心にいるのは、OSSのNoSQLベンダーであるMongoDBと、クラウドベンダーのAmazon Web Servicesだ。OSSを巡る緊張が表面化したのは、AWSが最近になって導入したNoSQLサービスの「Amazon DocumentDB」が発端だった。Amazon DocumentDBはMicrosoftの「Azure Cosmos DB」のように、MongoDBの同名NoSQLと互換性のあるAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を持つ。
Amazon DocumentDBは、OSSである「MongoDB 3.6」のAPIに準拠して、AWSが独自開発した。これはMongoDBが最近になって、ライセンス契約の一部条件を変更したことが理由だった。
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