「クラウド大手はOSSベンダーから“搾取”している」は本当かMongoDBやConfluentはライセンス変更で自己防衛

AWSをはじめとするクラウド大手が、自社のデータベースサービスにOSSを採用するようになった。そのことからMongoDBなどのOSSのベンダーは、強力な手段である「ライセンス」を使って資産を守ろうとしている。

2019年02月21日 05時00分 公開
[Jack VaughanTechTarget]

関連キーワード

Amazon Web Services | NoSQL | OSS | オープンソース | RDBMS


画像

 クラウドはリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)やNoSQL(RDBMSではないDBMS)といったDBMSにとって、優れた環境であることが実証されてきた。こうしたDBMSがユーザー企業に対してサービスとして提供されるようになり、クラウドベンダーとDBMSベンダーの双方に恩恵を与えている。

 ところが最近、こうした状況を脅かす事態が生じている。クラウド向けのオープンソースソフトウェア(OSS)のライセンスを巡って、クラウドベンダーとDBMSベンダーが衝突。結果として、ユーザー企業はライセンスの細部に目を向けることが必要になった。

 最も大きな衝突の中心にいるのは、OSSのNoSQLベンダーであるMongoDBと、クラウドベンダーのAmazon Web Servicesだ。OSSを巡る緊張が表面化したのは、AWSが最近になって導入したNoSQLサービスの「Amazon DocumentDB」が発端だった。Amazon DocumentDBはMicrosoftの「Azure Cosmos DB」のように、MongoDBの同名NoSQLと互換性のあるAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を持つ。

 Amazon DocumentDBは、OSSである「MongoDB 3.6」のAPIに準拠して、AWSが独自開発した。これはMongoDBが最近になって、ライセンス契約の一部条件を変更したことが理由だった。

MongoDBの策略

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news143.jpg

HubSpot CMSにWebサイトの「定石」を実装 WACUL×100のパッケージ第1弾を提供開始
WACULと100は共同で、Webサイトの「定石」をHubSpotで実装する「Webサイト構築パッケージ...

news125.jpg

電通調査で「料理は面倒」が6割超 なぜそうなった?
電通の国内電通グループ横断プロジェクト「電通 食生活ラボ」は、「食生活に関する生活者...

news039.jpg

売り上げは予想の11倍 英国の老舗銀行がデータの分断を乗り越えて実現した「オムニチャネルバンキング」とは?
金融業界において、最新のイノベーションの活用によって銀行業務の現状と可能性に関する...