産業廃棄物処理業者にハードウェアを受け渡す際の情報漏えいを防ぐためには、中身のデータを適切に消去しておくことが重要になる。そのための主要な手段である、データ消去ソフトウェアの選び方を紹介する。
ハードウェアの廃棄を産業廃棄物処理業者(以下、産廃処理業者)に委託する前に必ずしなければならないことは、ハードウェアが保持するデータの完全消去だ。産廃処理業者によって記憶媒体が粉砕されれば、データは復旧できない状態になる。だが廃棄処理業者にハードウェアを渡し、記憶媒体が粉砕されるまでの間にデータが流出する可能性がある。
データの完全消去には、一般的にデータ消去の専用ソフトウェア(以下、データ消去ソフトウェア)を用いる。消去方式としては米国防総省(DoD)の規格に準拠した、消去用のデータを3回上書きする手法を採用する企業が少なくない。
これに対して、デルでDell EMC製品の廃棄サービスを担当する代田和彦氏は、NIST(米国標準技術研究所)がガイドラインで定めた、1回上書きする手法で十分なケースもあると説明する。NISTは2001年以降に製造された、ストレージインタフェースに「ATA」を採用する15GB以上のHDDであれば、1回の上書きで十分だという見解を示している。「工数の観点から見ても、こちらの消去方式を採用した方が合理的なのではないか」(代田氏)
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