「DRAM」と「MRAM」の決定的な違いとは?「ストレージクラスメモリ」総ざらい【中編】

メインメモリとストレージの在り方を変える可能性を秘める「ストレージクラスメモリ」。その主要技術「MRAM」とは何か。DRAMやNAND型フラッシュメモリと何が違うのか。

2020年03月12日 05時00分 公開
[Stacey PetersonTechTarget]

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 「ストレージクラスメモリ」は不揮発性で永続的にデータを保持でき、コンピュータのメインメモリに利用される「DRAM」(Dynamic Random Access Memory)に匹敵するデータ読み書き速度を実現したメモリだ。メインメモリとストレージの双方に使えるストレージクラスメモリは、前編「『ストレージクラスメモリ』とは? 重要技術の『ReRAM』から理解する」で紹介した「抵抗変化型メモリ」(ReRAM:Resistive Random Access Memory)だけでなく、幾つかの種類の技術や製品が開発されている。

磁気抵抗メモリ

 「磁気抵抗メモリ」(MRAM)は、データの保存に磁化(物体が磁気を帯びること)の状態を利用するストレージクラスメモリだ。DRAMやNAND型フラッシュメモリはメモリセル(データ読み書きの最小単位である素子)に電荷を蓄積することでデータを記録する技術を採用しており、それとは仕組みが異なる。MRAMはDRAMよりもデータ読み書きが高速な「SRAM」(Static Random Access Memory)とほぼ同等の速度を実現できる。当然、NAND型フラッシュメモリの速度を大きく上回る。揮発性のDRAMやSRAMと異なり、電源供給がなくてもデータを失うことはない。

 MRAMはメモリセルに、2つの磁性体層の間に絶縁体層を挟み込んだ「磁気トンネル接合」(MTJ)という構造を持つ素子を用いる。磁性体の磁化方向(N極とS極)が2層ともそろっている状態が「0」、不ぞろいな状態が「1」を表す。

MRAMの利点と課題

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