ストレージクラスメモリの一種である「MRAM」には幾つかの種類が存在する。それぞれどのような技術を採用していて、容量や性能の観点でどのような違いがあるのだろうか。
メインメモリに利用される「DRAM」(Dynamic Random Access Memory)に匹敵するデータ読み書き速度を実現しつつ、ストレージに利用されている「NAND型フラッシュメモリ」と同様に不揮発性で永続的にデータを保持できるメモリ「ストレージクラスメモリ」。その一つに、データの保存に磁化(物体が磁気を帯びること)の状態を利用する「磁気抵抗メモリ」(MRAM)があり、幾つかの種類が存在する。
MRAMの一種である「スピン注入磁化反転型MRAM」(STT-MRAM)は、消費電力を減らすことを目的に開発された。STT-MRAMは電子の持つ微弱な磁石の性質である「電子スピン」を生かし、2つの磁性体層の間に絶縁体層を挟み込んだ「磁気トンネル接合」(MTJ)構造の素子の磁気抵抗を、より効率的に変化させられるようにする。
電子スピンによって磁性体層の磁気を反転させることを「スピントランスファートルク法」(STT)と呼ぶ。STTをMTJで利用すると、電子スピンを利用しない通常のMRAMよりも消費電力を抑制できる利点がある。MRAMよりも小型化でき、容量密度を高められる利点もある。ただし高速な性能を求めると、STTを用いた場合でも消費電力が非常に大きくなり、DRAMの代替手段としてコスト的に成り立たなくなる懸念がある。
MRAMベンダーEverspin Technologiesは容量256MBのSTT-MRAMを提供している。同社はSTT-MRAMの技術を応用して、データ読み書きを高速化するストレージも開発した。このストレージは1GBの容量を備え、DRAMに匹敵する処理性能を実現できる。
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